骨髄線維症に対する経口JAK1/JAK2阻害薬ruxolitinibの有効性を検討したCOMFORT-1試験の1年間の長期追跡の結果から、プラセボ群が全例クロスオーバーしていたにもかかわらずruxolitinib群のプラセボ群に対する全生存期間の優位性が維持されており、また忍容性も高いことが示された。12月8日からアトランタで開催された第54回米国血液学会で、米MD Anderson Cancer CenterのSrdan Verstovsek氏が発表した。

 経口JAK1/JAK2阻害薬であるruxolitinibは、骨髄線維症例の脾腫容積を減少させ、症状とQOLを改善し、プラセボに対して予後を改善する効果があることが、フェーズ3試験であるCOMFORT-1試験で示されている。

 今回、Verstovsek氏らは、COMFORT-1試験をさらに1年間追跡し、ruxolitinibの長期効果と安全性について検討した。

 COMFORT-1試験の対象は、ruxolitinib群(155例)とプラセボ群(151例)で、最初の解析は全ての患者が24週間の治療を終え、半数の患者が36週間の治療を終えた段階で行われた。この最初の解析を終えた後、プラセボ群はクロスオーバーが認められた。ruxolitinib群のうち、登録時血小板値が100-200×109/Lであれば15mg 1日2回投与、200×109/L超であれば20mg 1日2回投与とした。

 今回の検討の結果、ruxolitinib群の追跡期間中央値は24カ月。ruxolitinib群における24週時点では31.6%の脾腫容積の減少が認められ、長期フォローアップで減少は同等以上に維持されていた。プラセボ群でクロスオーバーされた患者のほとんどは脾腫容積の減少が認められた。ruxolitinib群の58%は脾腫容積の35%以上の減少が認められ、うち64%は少なくとも2年間は脾腫容積35%減少が維持されていた。ruxolitinib群におけるQOL改善効果も長期に維持されていた。

 全生存期間についても、長期に追跡した結果、ruxolitinib群で有意に良好だった(ハザード比0.58、95%信頼区間:0.36-0.95)。JAK2V617F陽性例においてはプラセボ群に対してruxolitinib群のハザード比は0.54(同0.30-0.98)、JAK2V617F陰性例ではハザード比0.65(同0.26-1.63)で、JAK2V617F遺伝子変異の有無にかかわらず効果が期待できるとした。

 ruxolitinib群の70%は最初の12週までに用量調節が行われており、長期には10〜15mg 1日2回投与で安定した。クロスオーバーされた患者を含め、用量調節を進めた結果、1回投与量として10mg未満、10mg、15mg、20mg、25mgに分けて脾腫容積を検討した結果、1回10mg投与例は、1回15mg、20mg投与例と同等の減少効果が得られており、生存期間も同等だった。

 ruxolitinib群において、最初の解析で最も頻度が高い有害事象だった貧血と血小板減少は、長期追跡で新たにそれぞれ9.9%、0.7%に認められた。ruxolitinib群におけるHb値は投与開始から8〜12週後に登録時から10%強の減少が見られたが、その後回復し、5%減少程度で長期に安定していた。36週以前に輸血を行わなかったグループ、あるいは36週以前に輸血を行わず用量調節も行わなかったグループにおいても、投与開始から8〜12週後にHb値の低下は最大となり、その後、回復して長期には安定していた。用量調節を行い、10mg 1日2回投与となったグループにおいては投与開始から12週後にHb値の低下は最大となったが、その後、登録時Hb値と同等まで回復し、安定していた。

 これらの結果から、Verstovsek氏は、「ruxolitinibは安定した脾腫容積の減少効果があり、QOLも改善していた。プラセボ群の全例がクロスオーバーされていたにもかかわらず1年間の長期追跡後もruxolitinib群のOSは優れており、忍容性も高かった」と締めくくった。