未治療で、強化療法が適応外の成人急性骨髄性白血病(AML)に対し、低用量シタラビン(LDAC)にVolasertib (BI 6727)を追加した際の奏効率は31.0%となり、LDACのみを投与した群の13.1%と比べ、奏効率が高かった。また、Volasertibを追加投与した群の無イベント生存期間(EFS)は有意に延長した。フェーズ2試験の結果について、ベルギーUniversity Hospital Gasthuisberg LeuvenのJohan Maertens氏が、米国アトランタで12月11日まで開催された第54回米国血液学会(ASH2012)で発表した。

 同試験は、新規ポロ様キナーゼ(PLK)阻害剤Volasertibを低用量シタラビン(LDAC)と併用した際の安全性と有効性について、LDAC単独療法と比較しているランダム化試験。

 Volasertibは、有糸分裂停止とアポトーシスを誘導する選択的な細胞周期キナーゼ阻害薬で、静脈投与する。フェーズ1試験では、LDAC併用時のVolasertibの最大耐量は350mgで、再発または再燃した強化療法適応外のAML患者において抗白血病活性が示されている。

 今回のフェーズ2試験の対象は、未治療で、強化療法が適応外の成人AML患者。LDAC療法単独群(20mgを1日2回、day1-10に投与、28日1サイクル)と、LDAC療法にVolasertibを上乗せした群(LDAC:20mgを1日2回day1-10に投与、Volasertibはday1、15に350mg投与、28日1サイクル)とに1:1にランダムに割り付けた。

 主要評価項目は奏効率(完全寛解[CR]、または骨髄では完全寛解だが血球数は回復していない状態[Cri])、副次評価項目は、無イベント生存期間(EFS)、無再発生存期間(RFS)、全生存期間(OS)、CTCAE Ver.3.0による有害事象の頻度。
 
 割付の結果、LDAC群が45人、Volasertib追加群が42人となった。平均年齢は、75〜76歳、男性は55〜56%、白血球数は5.2-6.1x109/L、2次性AMLは40-64%。ELN(EUROPEAN Leukemia Net)による遺伝子分類型では、favorableが7-11%、intermediate I/IIが43-49%、adverseが33-36%だった。

 主要評価項目の奏効率は、LDAC群が13.1%だったのに対し、Volasertib追加群が31.0%となり、オッズ比は2.91だった(p=0.0523)。奏効率の内訳をみると、LDAC群におけるCRは6.7%、CRiは6.7%、Volasertib追加群はそれぞれ19.0%、12.0%だった。

 ELNによる遺伝子分類型別に奏効率を見ると、LDAC群ではintermediate I/IIが18%、Adverseが13%だった。一方、Volasertib追加群ではfavorableが67%と最も多く、intermediate I/IIが22%、adverseが33%だった。

 反応時間(TTR)中央値は、LDAC群が64日、Volasertib追加群が71日だった。

 Volasertib追加群のEFS中央値は5.6カ月で、LDAC群の2.3カ月と比べ、有意に延長した(ハザード比0.56、95%信頼区間:0.34-0.93)。OS中央値は、LDAC群が5.2カ月だったのに対しVolasertib追加群が8.0カ月だった(ハザード比0.66、95%信頼区間:0.40-1.08)。また、RFS中央値は、LDAC群(6人)が8.6カ月、Volasertib追加群(13人)が14.5カ月だった。

 グレード3以上の非血液学的な有害事象は、Volasertib追加の10%超で見られた。Volasertib追加群で見られたグレード3以上の主な有害事象は、胃腸障害(グレード3が19%、グレード4が2%)、感染症(グレード3が38%、グレード4が5%、グレード5が5%)、発熱性好中球減少症(グレード3が38%、グレード4が7%、グレード5が5%)、呼吸障害(グレード3が14%、グレード4が2%、グレード5が7%)、代謝障害(グレード3が10%、グレード4が5%)だった。

 これらの結果からMaertens氏は、「未治療の成人急性骨髄性白血病に対し、低用量シタラビン(LDAC)にVolasertibを追加することで、奏効率が上昇したほか、EFSも改善した。また、有意差はなかったが、OSも改善する傾向が確認された。有害事象はVolasertib追加群で増加したが、想定範囲内で管理可能だったほか、30日、60日、90日時点の早期死亡率は両群間に差はなかった。Volasertibの臨床的有用性を確認するためにはフェーズ3試験の実施が必要」とまとめた。