MALTリンパ腫患者に対するファーストライン治療として、ベンダムスチンリツキシマブの併用療法(BR療法)は忍容性が高く、奏効率は100%となったことが、スペインで行われた多施設共同第2相試験から示された。12月8日から11日まで米国アトランタで開催されている第54回米国血液学会で、スペインHospital del MarのAntonio Salar氏が発表した。

 全身療法が必要なMALTリンパ腫に対する治療法はまだ確立されていない。除菌療法不応例や局所進行例、治療抵抗性、または播種性の胃MALTリンパ腫に対して、これまでいくつもの化学療法の試験が行われてきた。今回の報告は、再発・難治性低悪性度リンパ腫に対して示されたベンダムスチンの単剤およびCD20抗体製剤との併用による有効性から、BR療法のMALTリンパ腫に対するファーストライン治療の有用性を前向きに検討したもの。

 同試験は、スペインの研究グループGELTAMOによって行われた、前向き、多施設共同の非ランダム化第2相試験。対象は、de novoまたは胃、皮膚のMALTリンパ腫で局所治療施行後に再発した18歳以上、PS2までのCD20陽性MALTリンパ腫患者で、節外性の部位、Ann Arbor病期分類は問わないこととした。

 治療はベンダムスチン90mg/m2を1日目と2日目に、リツキシマブ375mg/m2を1日目に投与し28日を1サイクルとして、3サイクル投与後に効果判定を行って、CRが得られた場合はさらに1サイクル追加して計4サイクルとし、部分奏効(PR)が得られた場合はさらに3サイクル追加して計6サイクルとした。主要評価項目は無イベント生存率(EFS)、副次的評価項目は、完全奏効率(CR)、部分奏効率(PR)、奏効期間、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、急性および長期の毒性だった。

 2009年5月から2010年5月までに60人(年齢中央値62歳[50-72歳]、男性43%)が登録された。Ann Arbor分類のI期が48%、II期が15%、III-IV期が37%で、B症状は5%で認められた。胃のMALTリンパ腫は33%、胃以外のMALTリンパ腫は57%、その他は多巣性だった。胃外のMALTリンパ腫で多かったのは、肺(18%)、眼の付属器(10%)だった。

 BR療法は計264サイクル投与された。2人(3%)のみが4サイクル未満、44人(73%)が4サイクル、14人(23%)が5サイクル以上だった。投与中の減量について、リツキシマブはどのサイクルでも不要で、ベンダムスチンは4人で必要だった。投与期間の延期については、17サイクル(6%)で必要となり、延期の理由は血液毒性が6サイクル、非血液毒性が10サイクルだった。4サイクルを超える投与が可能だった患者の相対的用量強度(中央値)は、リツキシマブ、ベンダムスチンともに0.98だった。

 主要評価項目のEFSは、フォローアップ期間の中央値は17カ月(範囲:6-42カ月)で未到達である。

 3サイクル終了時点の効果は、全例のCR/uCR(未確定完全奏効率)は75%、部分奏効(PR)は25%、全奏効率は100%となった。サブタイプ別では、胃のMALTリンパ腫は、CR/uCRが90%、PRが10%、全奏効率が100%で、胃以外のMALTリンパ腫のCR/uCR、PR、全奏効率は、それぞれ64%、36%、100%、多巣性のMALTリンパ腫は83%、17%、100%だった。

 4-6サイクルの治療終了時の効果は、全例のCR奏効率は98%、PRは2%で、3サイクル終了後にPRだった患者は、1人を除き、残り全例が6サイクル終了後にCR/uCRに移行した。サブタイプ別では、胃および胃外のMALTリンパ腫はCR/uCRが100%、多巣性のMALTリンパ腫はCR/uCRが83%、PRが17%だった。

 グレード3または4の毒性は対象の38%に発現し、血液毒性は27%、非血液毒性は22%だった。グレード4の血液毒性は、リンパ球減少が1サイクル(0.4%)、好中球減少が8サイクル(3.0%)、白血球減少が2サイクル(0.8%)、発熱性好中球減少が1サイクル(0.4%)だった。主なグレード3または4の非血液毒性は、感染症5サイクル(1.9%)、喉頭の浮腫または疼痛3サイクル(1.1%)、発熱2サイクル(0.8%)、胃腸障害2サイクル(0.8%)、神経障害2サイクル(0.8%)などだった。

 Salar氏は「BR療法は安全で忍容性が良好であり、投与3サイクル後の奏効率は100%、治療終了時のCRは98%で、患者の多く(77%)は4サイクルでCRを達成した事から、今後、MALTリンパ腫の重要な治療戦略となると考えられる」と結語した。