ハイリスクのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の若年患者に対する第1選択として、標準的なリツキシマブ(R)+dose dense化学療法を適用した場合と、これに続けて大量化学療法、BEAMと自家幹細胞移植を行った場合の無増悪生存期間を比較した無作為化フェーズ3試験DLCL04の結果は、後者の方が、3年無増悪生存(PFS)率が有意に高いことを示した。イタリアCitta della Salute e della ScienzaのUmberto Vitolo氏がASH2012で12月10日に報告した。

 若年のDLBCL患者に標準的なR-CHOP療法を行っても予後は好ましいものにはならない。Vitolo氏が所属するイタリアリンパ腫財団(FIL)は、薬の投与間隔を狭めるdose denseの化学療法とRを併用した後に、大量化学療法と自家幹細胞移植を行う治療の進行リスクへの影響を調べるDLCL04試験を実施した。

 新規診断DLBCL(グレード3bの濾胞性リンパ腫、原発性縦隔B細胞性大細胞リンパ腫)で年齢調整(aa)IPI( International Prognosis Index、国際予後指標)スコアが2-3(高中〜高リスク)、中枢神経系に病変がない18-65歳の患者を診断時に登録した。

 2x2のファクトリアルデザインの試験の主要評価指標は無増悪生存率に、2次評価指標は2通りのR+dose denseレジメン(R-CHOP14とR-MegaCHOP14)の比較に設定された。

 使用したR+dose denseレジメンは以下の2通り。

 R-CHOP14療法(リツキシマブ375mg/m2+シクロホスファミド750mg/m2+ドキソルビシン50mg/m2+ビンクリスチン1.4mg/m2をいずれも1日目に投与+プレドニゾン100mgを1日目から5日目まで毎日投与するレジメンを、14日を1サイクルとして実施)。

 R-MegaCHOP14(CHOPのシクロホスファミドを1200mg/m2に、ドキソルビシンを70mg/m2に増量したレジメンを、14日を1サイクルとして実施)。

 当初、登録した患者を上記のR-CHOP14またはR-MegaCHOP14に割り付け、4サイクルが終了した時点で部分奏効以上の患者を選んだ。R+dose dense化学療法のみで幹細胞移植無しに割り付けられた患者は、R-CHOP14をさらに4サイクル、またはR-MegaCHOP14をさらに2サイクル実施した。幹細胞移植までの治療に割り付けられていた患者には、R-HDC(R-MAD; R+シタラビン2000mg/m2を1日2回、1日目から3日目まで投与+ミトキサントロン8mg/m2を1日目から3日目まで投与+デキサメタゾン4mg/m2を1日2回、1日目から3日目まで投与)を2回繰り返し、続いてBEAM(カルムスチン、エトポシド、 シタラビン、メルファラン)と自家幹細胞移植を実施した。G-CSFはすべての患者に併用した

 2005年6月から2010年9月までの間に412人を登録。条件を満たさなかった13人を除いた399人をほぼ1対1対1対1で、R-CHOP14を8サイクル、R-MegaCHOP14を6サイクル、R-CHOP14+幹細胞移植までの治療、R-MegaCHOP14+幹細胞移植までの治療に無作為に割り付けた。当初4サイクルの治療後に継続治療の対象になったのは、幹細胞移植群のR-MegaCHOP14経験患者86人とR-CHOP経験患者94人、移植なし群ではR-MegaCHOP患者85人とR-CHOP14患者94人。割り付けられた治療を完了したのは、幹細胞移植あり群の150人(75%)となし群の177人 (88%)だった。

 中央値41カ月の追跡で、幹細胞移植あり群の3年無増悪生存率は71%(64-76)、なし群は58%(50-65)、ハザード比は0.63(0.45-0.89、p=0.008)になった。

 R-CHO14群とR-MegaCHOP14群の3年無増悪生存期間には有意差は見られなかった。それぞれ65%(57-72)と64%(57-70)(p=0.7317)。

 Cox比例ハザードモデルを用いて増悪イベントのハザード比を求めた。R-CHOP14移植無し群を参照とすると、R-MegaCHOP14移植無し群は0.94(0.61-1.46)、R-MegaCHOP14後に移植群は0.68(0.42-1.08)、R-CHOP14後に移植群は0.56(0.35-0.91)になった。

 aa-PIPスコアが2で、幹細胞移植を受けた患者の3年無増悪生存率は75%(67-81)、移植なし群は65%(56-72)(ハザード比は0.63、0.41-0.96、p=0.047)だった。aa-PIPスコアが3の患者では60%(45-71)と46%(32-59)(ハザード比は0.64、0.32-1.13、p=0.121)で有意差は見られなかった。

 3年全生存率にはどのレジメンも有意な影響を示さなかった。移植あり群は81%(74-86)、なし群は79%(72-84)(p=0.8008)、R-CHOP14群は80%(74-85)、R-MegaCHOP14群も80%(73-85)(p=0.6842)だった。

 幹細胞移植までの治療を追加しても有害事象が大きく増加することはなかった。

 ハイリスクの若いDLBCL患者には、短めのR-dose denseレジメンに続けてR-HDCを行い、さらにBEAMと自家幹細胞移植を行うと、R-dose denseレジメンのみを長めに行った場合より進行リスクが有意に低下することが示された。