高齢の新規診断多発性骨髄腫患者に対する標準治療は、ボルテゾミブ-メルファラン-プレドニゾンの3剤併用(VMP)となっている。イタリアTorino大学のAntonio Palumbo氏らは、ボルテゾミブ-メルファラン-プレドニゾン-サリドマイド(VMPT)に続いてボルテゾミブ-サリドマイド(VT)を維持療法として用いるレジメンと標準治療を比較する無作為化多施設フェーズ3試験を行い、5年無増悪生存率と全生存率はいずれも後者のほうが有意に高いことを明らかにした。Palumbo氏がASH2012で12月9日に報告した。

 症候性の多発性骨髄腫患者で65歳以上、または65歳未満だが移植が適応にならない患者をイタリア国内の58施設で登録。条件を満たした511人を1対1で、ボルテゾミブ(1.3mg/m2を1日目、8日目、15日目、22日目に投与)+メルファラン(9mg/m2を1日目から4日目まで投与)+プレドニゾン(60mg/m2を1日目から4日目まで投与)+サリドマイド(50mg/日を継続投与)を用いる5週間の治療を9サイクル実施後に、ボルテゾミブ(1.3mg/m2を14日ごと)とサリドマイド50mg/日を最長2年間投与するレジメン、または、VMPのみ(VMPT-VTの寛解導入レジメンにおけるボルテゾミブ、メルファラン、プレドニゾンと同じ要領を同じ間隔で投与)のいずれかに割り付けた。当初は6週間を1サイクルとしていたが、139人を登録した時点で、プロトコールを修正、5週間を1サイクルとした。

 VMPT-VT群は254人、VMP群は257人で、いずれも年齢の中央値は71歳だった。

 中央値54カ月の追跡で、無増悪生存期間の中央値は、VMPT-VT群が35.3カ月、VMP群が24.8カ月で、ハザード比は0.58(95%信頼区間:0.47-0.71、p<0.0001)となった。次の治療開始までの期間は、それぞれ46.6カ月と27.8カ月で、ハザード比は0.52(0.42-0.66、p<0.0001)だった。

 5年無増悪生存率は、VMPT-VT群が29%、VMP群が13%(p<0.0001)で、5年後に次の治療を受けていなかった患者の割合は41%と19%(p<0.0001)になった。

 9サイクルの治療が終わった時点(登録からおおよそ1年目)を起点として分析したランドマーク解析では、4年時の無増悪生存率は、VMPT-VT群が33%、VMP群は16%で、無増悪生存期間の中央値は31.5カ月と17.8カ月と推定された。ハザード比は0.60(0.48-0.76、p<0.0001)だった。

 5年全生存率は61%と51%で、VMPT-VT群の死亡はこの時点でも生存期間の中央値を求めるに十分な件数に達しておらず、VMP群では60.6カ月と推定された。ハザード比は0.70(0.52-0.92、p=0.01)。

 ランドマーク解析における4年時点の全生存率は67%と55%、ハザード比は0.63(0.46-0.88、p=0.006)だった。この時点のサブグループ解析の結果は、VMPT-VTの利益は75歳未満の患者で大きく(ハザード比は0.60、0.41-0.89、p=0.009)、寛解導入療法により完全寛解と判断された患者で特に大きい(0.45、0.24-0.86、p=0.01)ことを示した。

 国際病期分類(ISS)で1-2に分類された患者ではハザード比は0.66(0.43-1.00、p=0.05)、より病期が進んだISS3群では両群間の差は有意にならなかった(0.64、00.31-1.31、p=0.22)。

 追跡期間中に再発しサルベージ療法を受けた患者の生存期間に差は無かった。再発後3年の時点の生存率は、VMPT-VT群が47%、VMP群は46%で、生存期間の中央値は27.8カ月と27.3カ月、ハザード比は0.92(0.66-1.28、p=0.63)になった。

 VMPT-VT群のVT維持療法中のグレード3-4の有害事象として最も多く見られたのは感覚神経障害、血液毒性で、有害事象による治療中止は13%だった。

 治療中止率はVMPT-VT群の65-75歳グループが25%、VMPグループが15%、75歳以上のグループではそれぞれ35%と16%だった。

 得られた結果は、高齢の新規診断多発性骨髄腫患者の少なくとも一部については、VMPT-VTが標準治療になる可能性を示した。