T315I変異を含む様々な変異を起こしたBCR-ABLキナーゼを幅広く阻害できる経口製剤ponatinibの、慢性骨髄性白血病(CML)を対象にした大規模フェーズ2試験PACEの12カ月観察データが明らかとなった。変異の状態、病期に関わらず、有効性が確認された。また、前に使用された薬剤数が少ない患者ほど効果が高いことが分かった。12月8日から11日にアトランタで開催されている米国血液学会で、米MD Anderson Cancer CenterのJorge Cortes氏によって発表された。

 PACE試験は、難治性のCML患者(CP期、AP期、BP期)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(ALL)で、ダサチニブ、ニロチニブに抵抗性または不耐用(R/I)か、T315変異を持つ患者に、毎日45mgのponatinibを投与することで行われた。患者はCP期R/I群、CP期T315変異群、AP期R/I群、AP期T315変異群、BP期/ALLR/I群、BP期/ALLT315変異群に分けられ、CP期では主要評価項目は細胞遺伝学的効果(MCyR)、AP期、BP期、ALLでは血液学的大寛解(MaHR)とされている。

 2012年11月9日時点のデータが発表された。CP期270人の年齢中央値は60歳(18-94)、AP期は60歳(23-82)、BP期/ALLが54歳(18-80)。最初の診断からponatinib投与までの期間の中央値はCP期が7年(0.5-27)、AP期は7年(0.3-28)、BP期/ALLが2年(0.5-27)だった。ダサチニブかニロチニブに抵抗性の患者は、CP期が256人中214人(84%)、AP期は80人中74人(93%)、BP期/ALLが91人中86人(95%)で、変異がない患者はCP期が138人(51%)、AP期は40人(47%)、BP期/ALLが20人(21%)だった。CP期T315変異群が64人、AP期R/I群が65人、AP期T315変異群が18人、BP期/ALLR/I群が48人、BP期/ALLT315変異群が46人だった。

 試験に継続して参加しているのは、CP期患者270人のうち171人(63%)、AP期患者85人のうち45人(53%)、BP期/ALL患者94人中6人だった。

 臨床効果は、CP期R/I患者でMcyRが得られたのは203人中104人(51%)、T315I変異患者では64人中45人(70%)だった。AP期R/I患者でMaHRが得られたのは65人中38人(58%)、T315I変異患者では18人中9人(50%)。BP期/ALLのR/I患者でMaHRが得られたのは評価可能48人中17人(35%)、T315I変異患者では46人中15人(33%)だった。

 CP期に限定して評価すると、267人中なんらかの細胞遺伝学的な効果が認められたのは180人(67%)、McyRが得られたのは149人(56%)、細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)が124人(46%)だった。分子遺伝学的大寛解(MMR)は267人中91人(34%)。3カ月時点でBCR-ABLが10%以下になったのは240人中142人(59%)で、前治療のチロシンキナーゼが1種類の患者では16人中14人(88%)だった。

 またCP期の患者でMCyR、CCyR、MMRが得られる率は前治療のチロシンキナーゼの種類が増えるにつれて低下した。

 CP期患者でMCyRの効果が失われたのはR/I群104人中11人、T315I群は0人で、12カ月時点でのMCyR率は91%と見積もられた。CP期患者の12カ月時点での無増悪生存率は80%、全生存率は94%だった。

 全体で多く見られた副作用は血小板減少症、皮疹、腹痛、頭痛、ドライスキンなどだったが、骨髄抑制以外はグレード2以下がほとんどだった。