選択的経口FLT3受容体チロシンキナーゼ阻害剤のquizartinib(AC220)が、60歳以上の再発難治FLT3-ITD(FMS-like tyrosine kinase 3 internal tandem duplications)陽性の急性骨髄性白血病(AML)患者で高い寛解率を達成できる可能性が明らかとなった。フェーズ2試験の結果、示されたもの。12月8日から12日にアトランタで開催されている米国血液学会(ASH2012)で、米The University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのJ.E.Cortes氏によって発表された。

 FLT3はAML患者の多くで過剰発現していることが知られ、標的分子として注目されている。FLT3-ITDはAML患者で最大34%に存在することが報告されている。FLT3に活性化変異が生じると予後が悪いことが分かっている。

 AMLを対象にしたquizartinibを対象にしたフェーズ2試験はコホート1とコホート2から構成されている。発表されたのは60歳以上で1年以内に再発またはファーストラインに難治性となった患者133人を対象に行われたコホート1の結果。133人のうち、90人がFLT3-ITD陽性で42人が陰性、1人が不明だった。主要評価項目はcomposite完全寛解(CRc;CR+CRp+CRi)。副次評価項目は完全寛解(CR)、奏効期間、同種造血幹細胞移植(HSCT)への移行、全生存(OS)だった。患者はquizartinibを28日を1サイクルとして毎日90mgまたは130mgの投与を受けた。

 FLT3-ITD陽性患者のうち46人(51%)が70歳以上。56人が再発で33人が難治性患者。FLT3-ITD陰性患者のうち20人(48%)が70歳以上。22人が再発で20人が難治性患者。

 投薬期間の中央値はFLT3-ITD陽性群で13.6週(0.1-70.6、2人は投与継続中)、FLT3-ITD陰性群で9.5週(1.1-74.7)だった。1回目の投与からの観察期間中央値はFLT3-ITD陽性群で25.1週(0.3-95.9、9人は継続中)、FLT3-ITD陰性群で18.9週(3.0-76.4、2人は継続中)だった。

 quizartinibの投薬が中止になった理由のうち、副作用はFLT3-ITD陽性群は23人(26%)、FLT3-ITD陰性群は12人(29%)、HSCTはFLT3-ITD陽性群は8人(9%)、FLT3-ITD陰性群は1人(2%)だった。

 FLT3-ITD陽性群のCRcは53%(CR+CRpが3%、CRiが50%)、部分寛解(PR)は21%だった。FLT3-ITD陰性群のCRcは36%(CR+CRpが5%、CRiが31%)、部分寛解(PR)は10%だった。CRcの期間中央値はFLT3-ITD陽性群で10.4週、FLT3-ITD陰性群で9.3週だった。

 OS中央値はFLT3-ITD陽性群が25.3週、FLT3-ITD陰性群が19.0週だった。FLT3-ITD陽性群でCRcかPRが得られた患者のOS中央値は31.1週、得られなかった患者は12.9週だった。FLT3-ITD陰性群でCRcかPRが得られた患者のOS中央値は29.4週、得られなかった患者は11.4週だった。FLT3-ITD陽性群でHSCTができた患者のOS中央値は32.2週、できなかった患者は24.9週だった。

 quizartinibの投与で1年以上生存できた患者は、FLT3-ITD陽性群の最良効果がCRcの8人、PRの4人で、quizartinibの投与期間中央値は52.2週(6.7-70.7、2人は投与継続中)、生存期間中央値は76.3週。FLT3-ITD陰性群の最良効果がCRcの3人、PRの1人、NRの1人で、quizartinibの投与期間中央値は31.9週(5.3-74.9)、生存期間中央値は69.9週だった。

 何らかの副作用(消化器毒性、可逆性のQT延長、骨髄抑制など)が全員に出現したが管理可能だった。QT延長が全体で51人で起きたが、グレード3以上の22人のうち、グレード4は1人だけだった。

 無作為化フェーズ3試験が2013年終わりに開始される予定だ。