CD22陽性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者に対し、Inotuzumab Ozogamicin(CMC-644) 0.8mg/m2とR-CVP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)の併用において、有害事象は管理可能で忍容性が確認され、また奏効率は77%だった。フェーズ1試験の解析結果について、名古屋赤十字第二病院の小椋美知則氏が、米国アトランタで12月8日から開催されている第54回米国血液学会(ASH2012)で発表した。

 Inotuzumab Ozogamicinは、ヒト化IgG4抗CD22抗体にカリケアミシンを結合させた抗腫瘍細胞毒性を持つ抗菌薬。非ホジキンリンパ腫(NHL)を含むB細胞リンパ腫の大半は、CD22を発現している。そのため、CD22はB細胞の非ホジキンリンパ腫に対する治療の有効なターゲットとして考えられている。

 同試験は、オープンラベルのフェーズ1試験。Inotuzumab Ozogamicinは1サイクル21日とし、6サイクルを静脈注射にて投与した。

 同試験は3段階から構成されており、既に第1段階、第2段階については報告されている。第1段階では16人を対象に用量漸増試験を行い、Inotuzumab Ozogamicin単剤投与の最大耐量(MTD)は、R-CVP療法(day1にリツキシマブ375mg /m2、シクロホスファミド750mg /m2、ビンクリスチン1.4mg /m2、day1-5にプレドニゾロン40mg /m2)との併用で、day2に21日おきに0.8mg /m2を静脈投与することが決定した。

 続く第2段階では、10人を追加登録し、決定したMTDでの安全性と忍容性について検討。10人中2人でDLTs(グレード3のALT・ASTの上昇、グレード4のCSF投与を要する好中球減少症)が発現したほか、3サイクル目で有害事象により1人が脱落したが、設定範囲内(DLT率が1サイクル目で33%未満、有害事象による脱落が3サイクル目以前に4人未満)だったため忍容性があると判定された。

 今回新たに発表したのは第3段階で、新たに追加登録した22人のデータを第2段階のデータと合わせた合計32人について、R-CVP併用時におけるInotuzumab Ozogamicinの有効性を評価した。

 主要評価項目は、CD22陽性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者においてInotuzumab OzogamicinをR-CVP療法と併用した際の安全性、忍容性、最大耐量(MTD)。副次評価項目は抗腫瘍活性。
 
 対象は、18歳以上、前治療でリツキシマブを含む1つ以上の抗癌剤を投与しているCD22陽性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者。第2段階と第3段階についてはアントラサイクリンによる治療が適応外のCD22陽性と新規に診断されたB細胞非ホジキンリンパ腫患者も登録した。

 患者は、DLBCLが16人、FLが15人、マントル細胞リンパ腫(MCL)が1人だった。年齢中央値が64.5歳、女性が53%、白人が56%。ECOG 0が63%、ステージIIIまたはIVが66%、リンパ腫の前治療数中央値は2(範囲:0-6)。前治療で放射線治療を実施していた例は41%を占めた。投与可能だったサイクル中央値は5で、15人が6サイクルの投与を完遂した。
 
 全グレードの主な治療関連の有害事象は、血液学的異常、ALT値・AST値の上昇、倦怠感、胃腸毒性。最も多く見られたグレード3または4の有害事象は血液学的毒性で、好中球減少症が63%、血小板減少症が53%、白血病減少症が38%、リンパ球減少症が31%だった。

 第2段階と第3段階において、有害事象により試験脱落に至ったのは10人だった。そのうち9人が血小板減少症または血小板減少からの回復の遅れ(グレード1または2が6人、グレード3または4が3人)が原因となった。また、グレード4の好中球減少症が原因と推測される致死性肺炎が1人確認された。

 有効性について、31人で解析したところ、奏効率(ORR)は77%で、完全奏効(CR)は26%、部分奏効(PR)は52%、安定(SD)は10%、病勢進行(PD)は13%だった。このうち、FLの奏効率は100%で、最良効果はCRが7人、部分奏効(PR)が8人。DLBCLの奏効率は60%で、CRが1人、PRが8人で、安定(SD)が2人だった。

 無増悪生存期間(PFS)については、第1段階の登録患者を含めた48人を解析したところ、PFS中央値は17.25カ月(95%信頼区間:10.41-23.49)だった。18人の患者がPFSイベントを経験し、うち8人はDLBCL、7人はFLだった。

 全生存期間(OS)については現在データを収集中で、治療関連死1人を含む8人の死亡がこれまでに確認されている。

 既にフェーズ1試験は登録を終了しており、今後、安全性、無増悪生存期間、全生存期間についての最終解析結果を報告する予定だ。小椋氏は、「Inotuzumab Ozogamicin 0.8mg/m2と標準投与量のR-CVP療法との併用において、有害事象は管理可能で、忍容性も確認された。フェーズ1試験としては登録数が多く、フェーズ2試験に匹敵する患者数を登録できた。今回のデータを踏まえ、今後検討を行いたい」と語った。