再発・難治性多発性骨髄腫に対するボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(VRD)療法のうち、ボルテゾミブもしくはレナリドミドの増量による効果を検討したフェーズ1/2試験であるHOVON 86試験の結果から、ボルテゾミブは1.6mg/m2/週、レナリドミドは10mg/日、デキサメタゾンはday1 day2における20mg投与が有効であることが示された。12月7日からアトランタで開催されている第54回米国血液学会で、オランダErasmus Medical CenterのPieter Sonneveld氏が発表した。

 VRD療法(ボルテゾミブ1.3mg/m2+レナリドミド(10-25mg)+デキサメタゾン)は初発もしくは再発多発性骨髄腫に対して有効であることが示されている。今回、同グループは、再発・難治性例を対象に、ボルテゾミブもしくはレナリドミドを増量することで効果が増強できるかどうかの検討を行った。

 HOVON 86試験はオープンラベルフェーズ1/2試験で、対象は再発・難治性の多発性骨髄腫74例。評価項目として奏効率、無増悪生存期間(PFS)、安全性、予後因子を設定した。

 VRD療法のそれぞれの薬剤の用量を、フェーズ1試験において、レベル1としてボルテゾミブ1.3mg/m2、レナリドミド10mg、レベル2としてボルテゾミブ1.6mg/m2、レナリドミド10mg、レベル3としてボルテゾミブ1.6mg/m2、レナリドミド15mgの3段階に設定した。デキサメタゾンはいずれも20mg/日とした。フェーズ1試験の結果、最大耐用量はレベル3となり、フェーズ2試験としてはレベル2の用量で行った。

 患者背景は、男性63%、年齢66歳(中央値)。74例中49例(66%)はファーストライン治療として大量メルファラン療法(HDM)/自己造血幹細胞移植(ASCT)を受けており、25例(34%)はメルファラン/プレドニゾロン(MP)療法もしくはメルファラン/プレドニゾロン/サリドマイド(MPT)療法を受けていた。

 74例中66例(91%)はファーストライン治療で部分奏効(PR)以上が得られており5例(7%)は難治性だった。いずれもボルテゾミブとレナリドミドは投与されたことがない症例だった。ファーストライン治療で完全寛解(CR)もしくはほぼ完全寛解(nCR)だったのが18例(24%)、部分寛解(PR)もしくは非常に良い部分寛解(VGPR)だったのが48例(7%)だった。病期分類基準(ISS)のステージIが59%、ステージIIが34%、ステージIIIが7%だった。

 有害事象については、フェーズ1試験において、レベル1(2例)でグレード3以上だったのが骨髄抑制(50%)、グレード3の多発性神経障害(50%)だった。レベル2(5例)では、骨髄抑制が20%、消化器症状が20%、感染症が20%、グレード3の多発性神経障害が20%だった。レベル3(5例)では骨髄抑制が80%、消化器症状が40%、グレード3の多発性神経障害が20%だった。

 用量をレベル2としたフェーズ2試験(62例)でのグレード3以上の有害事象では、骨髄抑制22%、全身症状5%、消化器症状3%、感染症20%、グレード3の多発性神経障害が16%、グレード4の多発性神経障害が1%だった。

 効果は、CR/nCRが27%、VGPRが37%、PRが24%、SDが7%で、客観的奏効率は88%だった。レベル2用量の投与を受けた52例でFISH解析が行われたが、del17p、t(4;14)、1qと、CR/nCR、PFS、OSとの相関は認められなかった。

 PFS中央値は18カ月で、30カ月時点での全生存率は65%だった。ISSステージ別にPFSを検討した結果、ステージ間で差はなかった。導入療法でPR以上だった症例とSD以下だった症例に分けて検討した結果、PR以上だった症例が有意にPFS、OSともに良好だった。