経口M1アミノペプチダーゼ阻害薬tosedostat(CHR-2797)が、難治性または再発性の急性骨髄性白血病(AML)の高齢患者に一定の効果を示し、全奏効率(ORR)と全生存期間(OS)の改善が認められたことが明らかになった。フェーズ2臨床試験「OPAL試験」の成績で、結果は、12月8日から13日まで米国サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH2011)で、米国Texas大学MD Anderson Cancer CenterのJorge E. Cortes氏が発表した。

 tosedostatはM1/17ファミリーのアミノペプチダーゼの新規経口阻害薬で、骨髄芽球が必要とするアミノ酸の枯渇を選択的に誘導することにより、AMLに対する治療効果を発揮すると期待されている。

 このフェーズ2試験の対象は、一次治療による完全寛解(CR)期間が12カ月未満であったかCRが得られなかった60歳以上のAML患者で、腎機能、肝機能、心機能が十分に保たれている例とした。

 対象は2群に無作為に割り付け、一方の群にはtosedostatを1日1回120mgの用量で24週間投与し(120mg群)、もう一方の群にはtosedostatを1日1回240mgの用量で8週間投与、その後の16週間は120mgを1日1回投与した(240mg群)。

 試験に参加した患者は73人、年齢中央値は72歳(64〜86歳)で男性59%、女性41%だった。細胞遺伝学的予後分類による内訳は不良が28人、中間が42人、良好が1人だった。AMLと診断されてからの日数の中央値は211日だった。

 一次治療の内訳は、38%がシタラビン/アントラサイクリン、36%は脱メチル化薬(HMA)で、23%は他のシタラビン使用レジメンだった。一次療法の成績は、6〜12カ月のCRが29%、6カ月以内のCRが19%、十分な効果が得られなかった例が52%だった。

 被験者73人のうち38人がtosedostat 120mg群、35人が240mg群に割り付けられたが、12週までに120mg群で26人、240mgで22人が脱落し、24週間の試験を完了したのは120mg群5人(13%)、240mg群5人(14%)だった。脱落の理由は、有害事象14人(19%)、進行35人(48%)が主だった。なお、24週間の投与を完了した患者は試験期間を延長して現在も治療を継続している。

 患者全体でのORRは22%で、内訳はCR/CRp(血小板数以外は完全寛解基準に適合)/MLFS(形態学的無白血病状態)の合計が12%、部分寛解(PR)が7%だった。また、29%はSD(安定)と判定された。120mg群の全奏効率は11%、240mg群は14%だった。

 PR以上の奏効が得られるまでの期間の中央値は、120mg群で52日、240mg群で56日、全体で56日だった。

 AMLの病型別にみた奏効率は、初発AMLで19%、二次性AMLのうち以前に骨髄異形成症候群(MDS)だった例では37%、それ以外の二次性AMLでは0%だった。

 奏効期間の中央値は、CR/CRp/MLFSについては120mg群で110日、240mg群で121日、PRはそれぞれ34日、32日で、PR以上を合わせた奏効例では120mg群で62日、240mg群で103日だった。

 OS中央値は、120mg群で175.5日(4〜537日の範囲)、240mg群で88日(4〜434日)、全体では126日(4〜537日)だった。CR/CRp/MLFSの奏効が得られた患者のOS中央値は120mg群で214.5日(181〜499日)、240mg群で340日(241〜408日)だった。PRが得られた患者のOS中央値はそれぞれ258日(170〜536日)、195日(71〜434日)だった。

 有害事象のうち頻度の高かったものは、下痢(58%;グレード3以上は4.1%)、末梢性浮腫(55%;同0%)、倦怠感(49%;同21%)、呼吸困難(41%;同16%)、悪心(38%;同0%)、食欲不振(37%;同3%)、発熱性好中球減少(36%;同29%)および低血圧(36%;同10%)だった。

 Cortes氏は、以上の結果をもとに、「難治性/再発性の高齢AML患者に対するtosedostatの経口投与は、22%というORRを達成し、治療開始から中央値56日で奏効が得られた。忍容性も十分と考えられる。AMLとMDSを対象とするtosedostatのフェーズ3試験を近く開始する予定だが、120mgで十分な効果が得られているため、安全性を考慮して120mgを使用することになるだろう」と述べた。