強化化学療法を受ける急性骨髄性白血病(AML)の高齢の患者に対して、導入化学療法の初日に、抗腫瘍性抗生物質結合抗CD33モノクローナル抗体製剤ゲムツズマブ・オゾガマイシン(以下GOと略、商品名「マイロターグ」)を投与すると、全生存率が有意に改善することが示された。英国とデンマークで実施された大規模無作為化試験「NCRI AML16 (intensive)」の結果で、英国Cardiff大学のAlan K Burnett氏が、12月10日から13日に米国サンディエゴで開催された米国血液学会(ASH2011)で発表した。

 Burnett氏らの研究グループは既に、若年AML患者の導入化学療法へのGO追加によって全生存率(OS)が約10%改善したことを報告している(MRC AML15試験)。一方、高齢AML患者の低用量Ara-C療法へのGO追加は、完全寛解(CR)率をほぼ2倍に改善させたもののOSを改善しなかった(NCRI AML16 (non-intensive)試験)。今回、同氏らは高齢AML患者の強化化学療法へのGO追加の効果を評価した。

 対象は、2006年12月〜2010年7月の間に英国とデンマークの149施設を受診した比較的高齢のAML患者と高リスク骨髄異形成症候群(MDS)患者の計1115人(中央値67歳;51〜84歳の範囲)。うち806人は初発AML、194人は二次性AMLで、115人は骨髄芽球率10%以上の高リスクMDSだった。なお、被験者の細胞遺伝学的予後分類は不良が33人、中間が629人、良好が204人だった。

 これらの患者をGO投与群とGO非投与群に無作為に割り付け、GO投与群には化学療法の第1コースの初日に3mg/m2を投与した。続いて、両群の患者をDA(ダウノルビシン/ara-C)またはDClo(ダウノルビシン/クロファラビン)のいずれかに割り付けて化学療法を2コース実施した。さらに第1コース後に部分寛解(PR)以上、第2コース後にCRが達成された患者には、第3コースとしてDA投与に関する無作為割り付け、第4コースとしてアザシチジン維持療法に関する無作為化割り付けも行った。

 第1コースの導入化学療法後の成績は、GO投与群ではCRが62%、CRi(血液の数値は正常に戻っていないが骨髄では完全寛解)が8%であり、奏効率(CR+CRi)は70%だった。一方、GO非投与群ではCR 58%、CRi 10%、奏効率68%だった。

 治療全体を通じての成績は、3年全生存率はGO投与群の25%に対して非投与群では20%(p=0.05)であり、3年無再発生存率はそれぞれ21%、16%(p=0.04)、CR後の3年全生存率は35%、29%(p=0.02)、3年累積再発率は68%、76%(p=0.007)と、いずれもGO投与群の成績が有意に良好だった。

 有害事象については、第1コースの導入化学療法後に、GO投与群で悪心および経口毒性の頻度がやや高く、血小板輸血件数が多く(GO投与群で平均13.7単位、非投与群で平均9.6単位;p<0.001)、抗生剤の静注日数がやや多かった(それぞれ平均19.2日、18.1日;p=0.03)。しかし、第2コース以後は有意差が認められなかった。

 また、この成績を、Burnett氏らが実施した若年AML患者における試験結果(MRC AML15)と比較したメタ解析の結果、化学療法へのGO追加によるOSの改善度は、年齢を問わずほぼ同程度であることが示された。

 Burnett氏は、以上の結果から、「強化化学療法を受ける高齢AML患者の導入化学療法時にGOを追加すると、再発率が有意に低下し、全生存率が改善することが示された。一方、明らかな有害事象の増加は認められなかった」と結論した。