再発性または難治性の多発性骨髄腫患者に対して、ヒト化抗CS1モノクローナル抗体製剤 elotuzumabを、レナリドミド+低用量デキサメタゾンとの併用下で投与したフェーズ2試験の中間解析で、良好な客観的奏効率(ORR)と十分な忍容性が確かめられたことがわかった。この中間成績は、12月10日から13日まで米国サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH2011)で、米国Emory大学Winship Cancer InstituteのSagar Lonial氏が発表した。

  elotuzumabは、細胞表面糖タンパク質CS1を標的とするヒト化モノクローナルIgG1抗体製剤。多発性骨髄腫患者の95%以上でCS1が腫瘍細胞表面に発現されることから、 elotuzumabはNK細胞を介した細胞傷害作用により、腫瘍細胞を死滅させることを狙っている。

 これらの患者における elotuzumab+レナリドミド+低用量デキサメタゾンのフェーズ1試験(28例)では、ORRが82%でそのうち非常に良い部分寛解(VGPR)以上が43%であり、中央値16.4カ月の追跡での無増悪生存率が70%前後という成績が得られている。

 今回のフェーズ2試験の対象は、1〜3回の前治療を受けた再発性または難治性の多発性骨髄腫患者73人。試験の主要目的は有効性(ORR;PR以上)の評価とし、副次目的は安全性、無増悪生存期間(PFS)、elotuzumabの至適用量の評価とした。

 患者を、 elotuzumab10mg/kg群または20mg/kg群に無作為割り付けし、28日サイクルの第1・第2サイクルでは1、8、15、22日目に、以後のサイクルでは1日目と15日目にelotuzumabを静注した。その上で全例にレナリドミド25mg(1〜21日目)とデキサメタゾン(40mgを週1回経口、またはelotuzumab投与日に28mg経口+8mg静注)を併用投与した。治療は疾患の進行または強い毒性を認めるまで継続した。

 さらに、elotuzumab静注時の注入反応を軽減するための前投薬レジメンとして、患者全員に、 elotuzumab静注の30〜60分前にメチルプレドニゾロン50mg静注(またはデキサメタゾン8mg静注)、ジフェンヒドラミン25〜50mg経口または静注、ラニチジン50mg静注、アセトアミノフェン650〜1000mg経口投与を実施した。

 患者(73人)の背景は、年齢中央値が63歳(39〜82歳)、2回以上の前治療歴のある割合が55%、サリドマイド治療歴の割合が62%、ボルテゾミブ治療歴の割合が60%だった。スクリーニング時のβ2ミクログロブリン値が3.5mg/L以上だったのは45%だった。

 有効性に関して、ORRは10mg/kg群(36人)で92%、20mg/kg群(37人)で74%(全体で82%)であり、完全寛解(CR)はそれぞれ14%、11%(同12%)、VGPRは39%、32%(同36%)だった。

 10mg/kg群における前治療の内容別にみたORRは、前治療1回(16人)で100%、2回以上(20人)で85%、サリドマイド治療例(21人)で91%、ボルテゾミブ治療例(22人)で86%だった。

 また、患者全体でのORRが得られるまでの期間の中央値は1.0カ月(0.7-4.3カ月)、最良奏効までの期間の中央値は2.2カ月(0.7-17.5カ月)だった。中央値11.4カ月の追跡でPFSの中央値は未達であったが、無再発生存率は10mg/kg群で75%、20mg/kg群で65%だった。

 治療中に発生したグレード3/4の有害事象のうち頻度が高かったのは、リンパ球減少(16%)、血小板減少(16%)、好中球減少(15%)および貧血(11%)だった。注入反応は73人中49人(67%)で報告され、頻度の高いものは悪心(18%)、頭痛(14%)、発熱(14%)およびめまい(12%)だったが、グレード3の悪心と皮疹の各1例を除いてすべてグレード1/2だった。

 なお、このフェーズ2試験に参加した患者73人のうち40人は現在もこの治療を継続しているという。

 以上の中間成績を受けて、Lonial氏は「再発性/難治性の多発性骨髄腫患者における elotuzumabとレナリドミド+低用量デキサメタゾンの併用は、ORR、忍容性のいずれの点でも良好だった。 elotuzumabの注入反応は前投薬レジメンでかなり軽減できたと考えている。今後実施する予定のフェーズ3試験では、 elotuzumab 10mg/kgが推奨用量となるだろう」と結んだ。