治療歴がない全身腫瘍組織量が少ない濾胞性リンパ腫(FL)に対し、リツキシマブによるメンテナンス療法(maintenance rituximab:MR)と再発・進行時の再治療(rituximab retreatment:RR)の治療成功期間(TTTF)は同等に良好となることが、ECOGのE4402(RESORT)試験から示された。12月8日から13日まで米国サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH2011)で、米University of WisconsinのBrad S. Kahl氏が発表した。

 全身腫瘍組織量が少ないFLでは、腫瘍組織量が増加してから治療を開始するWatch and waitが標準と考えられてきた。近年ではリツキシマブの有効性が報告されているが、最適な治療法は不明である。

 Kahl氏らは、このようなFL患者では「リツキシマブによる導入療法施行後のMRは、RRと比較して病勢コントロールの期間を延長する」との仮説をたて、E4402(RESORT)試験で検証した。
 
 この試験では、導入療法としてリツキシマブ375mg/m2を毎週、4サイクル投与し、完全寛解(CR)または部分寛解(PR)が得られた患者を、メンテナンス療法としてリツキシマブ375mg/m2を3カ月毎に投与する群(MR群)と、進行時の再治療としてリツキシマブ375mg/m2を毎週、4サイクル投与する群(RR群)に無作為に割り付けた。治療不成功と判断されるまで投与を継続した。
 
 試験の主要評価項目は治療成功期間(TTTF)だった。
 
 2003年11月から2008年9月までに545人が登録され、FL患者は384人だった。274人が導入療法で寛解し、MR群に140人(年齢中央値58.9歳、男性54%)RR群に134人(同59.5歳、男性54%)が割り付けられた。患者背景は両群でほぼ同様で、濾胞性リンパ腫の国際予後指標(FLIPI)で高リスクの患者の割合はそれぞれ41%と39%だった。

 無作為化時のCRは、MR群18%、RR群14%、PRはそれぞれ78%と81%だった。
 
 主要評価項目のTTTFは、MR群3.9年、RR群3.6年となり、有意差はみられなかった(p=0.80)。従来の方法と比較して良好な結果となった。治療不成功の内訳は、MR群では同意の撤回が最も多く(26人)、無増悪生存期間(TTP)6カ月未満(25人)がこれに次いだ。RR群では、リツキシマブ抵抗性(18人)が最も多く、同意の撤回(16人)がこれに次いだ。
 
 3年の時点で化学療法による治療を開始していなかったのは、MR群95%、RR群86%に上った(p=0.03)。
 
 導入療法の4回を加えたリツキシマブの投与回数(中央値)は、MR群15.8、RR群4.5だった。MR群でかかる費用はRR群の3.5倍以上となった。また、無作為化から1年後の患者のQOLに変化は観察されなかった。
 
 グレード3以上の毒性の発現は両群ともに低く、5%未満だった。二次性の腫瘍は、MR群7人、RR群9人に発現した。
 
 Kahl氏は、転帰が良好で、有害事象の発現率が低く、投与回数が少ないことなどを根拠として、「全身腫瘍組織量が少ないFL患者にリツキシマブ単剤の治療を選択する場合、RRを推奨する」と話した。