進行期のホジキンリンパ腫(HL)に対し、German Hodgkin Study Group(GHSG)はこれまで8サイクルのBEACOPP療法(ブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾロン)を標準としてきたが、有効性と毒性の低さから、今後は6サイクルのBEACOPP療法が新たな標準となると考えられる結果が、GHSGによるHD15試験の最終結果から示された。12月10日から13日まで米国サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH2011)で、ドイツUniversity Hospital of CologneのAndreas Engert氏が発表した。

 進行期のHLに対し、BEACOPP療法を8サイクル行う強化化学療法の有効性は高いが、治療に関連する毒性も高い。
 
 HD15試験では、有効性を維持しながら毒性を低下させることを目的として、化学療法と放射線療法を検討している。化学療法の検討では、患者は次の3群に無作為に割り付けられた。BEACOPP escalated療法を8サイクル行う群(8×B.esc、BEACOPP escalated療法を6サイクル行う群(6×B.esc群)、BEACOPP療法を14日ごとに8サイクル行う群(8B.14群)である。BEACOPP escalated療法では、BEACOPP療法の標準量から、シクロホスファミドを192%、エトポシドを200%、ドキソルビシンを140%に増量している。

 主要評価項目は、8×B.esc群と比較した6×B.esc群と8×B.14群のFFTF(freedom from treatment failure)における非劣性だった。

 2003年から2008年までに、欧州の5カ国408施設から、新たにHLと診断され、Ann Arbor分類でII〜IV期の患者2182人が登録された。評価が可能だったのは2043人(年齢中央値33歳、男性61%)だった。
 
 完全寛解率は、8×B.esc群90.1%、6×B.esc群94.2%、8×B.14群92.4%となった(p=0.01)。早期と後期の再発は、8×B.esc群で2.4%と2.6%、6×B.esc群で2.4%と1.5%、8×B.14群で3.0%と4.2%だった。

 5年時のFFTFは、8×B.esc群84.4%、6×B.esc群89.3%、8×B.14群85.4%(違いに対する97.5%信頼区間:3.7-5.8%)だった。8×B.esc群を6×B.esc群が上回る結果となった(p=0.009)。
 
 5年時のOSは、それぞれ91.9%、95.3%、94.5%となった。OSでも8×B.esc群と比較して6×B.esc群で良好な結果となった(p=0.02)。
 
 同試験の死亡率は、8×B.esc群で高く7.5%、6×B.esc群4.6%、8×B.14群5.2%だった。ファーストライン治療の毒性による死亡は、それぞれ2.1%、0.8%、0.8%、二次性の腫瘍による死亡はそれぞれ1.8%、0.7%、1.1%だった。二次性の急性骨髄性白血病/骨髄異形成症候群は、それぞれ2.7%、0.3%、1.1%に発現した。

 グレード3以上の血液毒性と感染症の発現は、他の2群と比べて8×B.esc群で多く、末梢神経障害は8×B.14群で多かった。