Bruton's tyrosine kinase(Btk)を選択的に阻害する経口薬PCI-32765が、非ホジキンリンパ腫の一種である再発性または治療抵抗性のCLL(慢性リンパ性白血病)とSLL(小リンパ球性リンパ腫)に対して、高い効果を持つ可能性が明らかとなった。多施設フェーズ1B/2試験のアップデートで示されたもの。12月10日から13日にサンディエゴで開催された米国血液学会(ASH)で、米Texas大学M.D. Anderson Cancer CenterのSusan O'Brien氏によって発表された。

 BtkはB細胞抗原受容体からの情報伝達で重要な役割を果たしており、Btkを阻害すればB細胞が介在する疾患の治療薬になると考えられている。

 発表されたのは現在進行中のフェーズ1b/2試験の途中の解析結果。患者は28日を1サイクルとして毎日PCI-32765を420mg服用する群(27人)と840mg服用する群(34人)に分けられ、病状が進行するまで投与が行われた。420mg群の年齢中央値は64歳(40-81)、CLLが26人、SLLが1人、前治療数中央値は3(2-10)で、ヌクレオシドアナログは100%の患者、リツキシマブは93%の患者で投与されていた。840mg群の年齢中央値は64歳(44-80)、CLLが33人、SLLが1人、前治療数中央値は5(1-12)で、ヌクレオシドアナログは100%の患者、リツキシマブは97%の患者で投与されていた。

 420mg群は観察期間中央値12.6カ月(0.9-15.0)で、20人が投与を継続していた。840mg群は観察期間中央値9.3カ月(0.3-11.2)で、26人が投与を継続していた。

 効果の評価はSLLの場合はNHL IWG criteriaに従い、CLLは2008年IWCLL criteriaを一部変更して評価した。リンパ節の効果は、他のパラメーターでPR、リンパ球絶対数(ALC)がベースラインよりも50%まで減少したか5000未満となったものとした。

 420mg群はCRが1人、PRが17人で奏効率は67%、リンパ節効果は6人で認められた。840mg群は、CRが0人、PRが23人で奏効率は68%、リンパ節効果は8人で認められた。奏効率は年齢、腫脹の大きさ、染色体型などに関わらず、同等だった。12カ月無増悪生存率は86%だった。

 多く見られた副作用は、下痢、咳、倦怠感、吐き気、斑状出血などだった。グレード3/4の感染症は420mg群でグレード3が19%、グレード4が7%、840mg群でグレード3が26%、グレード4が3%だった。グレード3以上の血液毒性は、420mg群で好中球減少症(グレード3が4%、グレード4が4%)、貧血(グレード3が7%、グレード4が0%)、血小板減少症(グレード3が0%、グレード4が7%)、840mg群で好中球減少症(グレード3が12%、グレード4が9%)、貧血(グレード3が9%、グレード4が3%)、血小板減少症(グレード3が9%、グレード4が0%)だった。