ハイリスクのくすぶり型(無症候性)多発性骨髄腫(MM)に対し、導入療法としてレナリドミドとデキサメタゾンを投与し、その後メンテナンス療法としてレナリドミドを投与することで、治療を行わない場合に比べ有意に無増悪期間(TTP)は延長し、全生存(OS)も改善することが、多施設共同無作為化オープンラベルフェーズ3試験で明らかになった。スペインHospital Clinico Universitario de SalamanncaのMaria-Victoria Mateos氏らが、12月10日から13日に米国サンディエゴで開催された米国血液学会(ASH2011)で発表した。

 試験は、増悪リスクが高いくすぶり型MM患者を対象に、レナリドミドとデキサメタゾンによる導入療法を行い、その後、レナリドミドによるメンテナンス療法を行う群(治療群)と無治療群を比較した。

 ハイリスク患者は、骨髄細胞のうち形質細胞(PC)が10%以上を占め、かつM蛋白が血液1L中に30g以上存在する、もしくはどちらか一つであれば、免疫表現型検査で異常な形質細胞が95%以上存在し、かつ免疫能の低下が起きている患者と定義された。

 主要評価項目は症候性MMになるまでのTTP、副次評価項目は奏効率(ORR)、奏効期間、安全性と忍容性、無増悪生存、OSと設定された。

 治療群では、導入療法として、4週おきに、レナリドミド25 mg/日を第1日から第21日に、デキサメタゾンは20mg/日を第1日から第4日、第12日から第15日(総用量160mg)を投与し、9サイクル行った。メンテナンス療法として、レナリドミド10 mg/日を第1日から第21日に毎月投与した。

 126人が登録し、119人で評価が可能だった。両群の患者背景は類似していた。

 ITT解析で、導入療法において、IMWG基準に基づいた治療群(57人)のORRは86%で、PRが61%、VGPRが11%、CRが7%、sCR(厳密な完全奏効)が7%だった。導入療法の9サイクルを完遂した51人ではORRは96%で、PRが68%、VGPRが12%、CRが8%、sCRが8%だった。メンテナンス療法は50人が受け、治療サイクル中央値は15サイクル(2-31)で、CRは12%、sCRは16%に増えた。

 フォローアップ中央値32カ月(12-49)で、治療群では9人(15%)が、無治療群では37人(59%)が増悪した。TTP中央値は無治療群で23カ月、治療群では達していない。ハザード比は6.0(95%信頼区間:2.9-12.6)、p<0.0001で、治療群で有意にTTPは優れていた。

 なお治療群ではメンテナンス療法において細胞生物学的進行が14人で見られ、その時点でデキサメタゾンが追加された。

 毒性については、導入療法で、グレード3以上の有害事象は、治療群では好中球減少が3人、貧血と血小板減少が各1人、無力症が4人、感染症が4人、皮疹が2人、下痢が1人で、グレード1/2のDVTが3人に認められた。メンテナンス療法では、グレード2の好中球減少、感染症が各3人だった。

 治療群では3人(5%)に二次発癌が見られた。1人は真性多血症だったが、登録時に得たDNA凍結検体の解析で、すでにJAK2陽性であった。また別の2人は前立腺癌だったが、前立腺肥大の既往があり、うち1人ではPSA上昇も過去に認められた。

 追跡期間中央値38カ月において、5年生存率は治療群が94%、無治療群は79%であり、OSは有意に治療群が良好だった(ハザード比は5.01、p=0.03)。

 これらの結果から、Mateos氏は「ハイリスクのくすぶり型MM患者において、レナリドミドとデキサメタゾンは導入療法およびメンテナンス療法として有効で、有意にTTPを延長させた。毒性は忍容性があり、現時点で安全性に問題はない。またOSにもベネフィットがあった」とまとめた。