進行期のびまん性大細胞性B細胞性リンパ腫(DLBCL)患者において、同種造血幹細胞移植の前処置の強度が低いレジメンでは再発や進行が多くなるものの、強度は無増悪生存率(PFS)に影響しないと考えられる結果が示された。骨髄破壊的前処置(MAC)と2種類の骨髄非破壊的前処置(reduced intensity conditioning:RIC、non myeloablativeconditioning:NMC)に、5年時のPFSの差はなかった。成果は、12月8日から13日まで米国サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH2011)で、ドイツUniversity of HamburgのUlrike Bacher氏が発表した。

 DLBCLでは患者数が少なく、しかもリンパ腫には多様性があるため、自家造血幹細胞移植、同種造血幹細胞移植の前処置の強度による有効性は不明である。

 Bacher氏らは、2000年から2009年までにCenter for Internationale Blood and Marrow Transplant Research(CIBMTR)に報告され、MAC、RIC、NMCで前処置を施行後、同種造血幹細胞移植が行われたDLBCLの患者396人(年齢中央値54歳、男性58%)の転帰を解析した。評価項目は、非再発死亡率(NRM)、進行と再発、全生存率(OS)無増悪生存率(PFS)だった。
 
 MAC群165人(同48歳、59%)、RIC群143人(同54歳、61%)、NMC群88人(同54歳、50%)となり、年齢中央値はMAC群で有意に低かった(p<0.001)。診断時に進行期だった患者、同種造血幹細胞移植の前に初期治療が失敗した患者、再発または進行した患者の割合は、いずれもMAC群で有意に高かった(p=0.007、p<0.001)。
 
 診断から同種造血幹細胞移植までの期間の中央値は、RIC群27カ月、NMC群36カ月、MAC群17カ月で、MAC群で有意に短く(p<0.001)、12カ月未満だった患者はそれぞれ13%、30%、13%だった(p<0.001)。自家造血幹細胞移植の治療歴がある患者は、RIC群36%、NMC群51%、MAC群18%だった(p<0.001)。自家造血幹細胞移植から同種造血幹細胞移植までの期間が12カ月未満の患者の割合は、3群間に有意差はなかった。

 多く使用されたレジメンは、RIC群ではフルダラビン(Flu)+メルファランまたはFlu+BUで、それぞれ44%と39%だった。NMC群ではFluと低線量の全身照射(TBI)またはFlu+シクロホスファミド(CY)で、それぞれ33%と48%だった。MAC群ではCY+TBIとブスルファン+CYで、それぞれ54%と23%だった。HLA適合同胞ドナーの割合は、RIC群26%、NMC群30%、MAC群40%で、3群間に有意差はなかった。
 
 28日時の生着率は、RIC群とNMC群がMAC群と比較して有意に高く、それぞれ96%、92%、86%だった(p<0.012)。
 
 100日時にグレードII〜IIIの急性GVHDが発生したのは、RIC群43%、NMC群44%、MAC群43%、1年時の慢性GVHDの発生はそれぞれ39%、33%、35%で、GVHDについては3群間で同様だった。
 
 100日時のNRMは、RIC群24%、NMC群17%、MAC群32%で、MAC群で有意に高かった(p=0.029)。

 生存への効果について、5年時のPFSとOSに前処置の強度による有意差はみられなかった。PFSは、RIC群15%、NMC群25%、MAC群18%、OSはRIC群20%、NMC群26%、MAC群18%となった。

 NRMの発生は、MAC群で47%と顕著に高く、RIC群31%、NMC群29%で有意差がみられた(p=0.021)。一方、5年時に進行または再発を認めたのは、RIC群38%、NMC群40%、MAC群26%で、治療強度が弱い群で有意に多かった(p=0.007)。

 多変量解析からは、同種造血幹細胞移植施行前のリツキシマブの投与により、再発と進行が減少することも示された。投与した場合と比較して、投与していない場合のハザード比は1.68だった(p=0.008)。また、karnofsky performance scoreが低い場合や治療抵抗性がある場合に、治療の失敗や死亡と相関することも示され、患者の選択に重要と考えられた。

 Bacher氏は「今後、同種造血幹細胞移植施行前のリツキシマブの投与やドナーのタイプなど、前処置以外の因子を検討していく必要がある」と話した。