65歳以上の初発多発性骨髄腫患者を対象としたフェーズ3試験MM-015の最新解析で、MPR療法(メルファラン、プレドニゾン、レナリドミド)による導入療法を行った後に、レナリドミドによるメンテナンス療法を行うことで、増悪リスクは65%低下し、65-75歳の患者では70%の増悪リスク低下が示された。イタリアTorino大学のAntonio Palumbo氏らが、12月10日から13日に米国サンディエゴで開催された米国血液学会(ASH2011)で発表した。

 MM-015試験は、65歳以上の初発多発性骨髄腫患者459人を対象に、以下の3群に分けた。まず導入療法としてMPR療法(メルファラン、プレドニゾン、レナリドミド)を投与し、その後、レナリドミドによるメンテナンス療法を行う群(MPR-R)、次に導入療法としてMPR療法を行った後、メンテナンス療法としてプラセボを投与した群(MPR)、そして導入療法にメルファランとプレドニゾンのみを投与し、メンテナンス療法にはプラセボを投与した群(MP)とした。

 今回の発表では、奏効率と無増悪生存期間(PFS)は追跡期間中央値27カ月時点のデータが、全生存期間(OS)と二次発癌については追跡期間中央値41カ月時点のデータが報告された。また全患者のうち65-75歳に焦点を当てた結果も報告された。65-75歳の患者は、MPR-R群では76%、MPR群が76%、MP群が75%を占め、国際病期分類システム(ISS) IIIの患者がそれぞれ49%、48%、51%であった。

 まずPFS中央値はMPR-R群で31カ月、MPR群は14カ月、MP群は13カ月で、MP群に対するMPR-R群のハザード比は0.395(p<0.001)、MPR群は0.796(p=0.135)だった。OSについては、4年生存率がMPR-R群で59%、MPR群は58%、MP群は58%であり、MP群に対するMPR-R群のハザード比は0.898(p=0.579)、MPR群は1.089(p=0.648)であった。

 65-75歳の患者に限ると、PFS中央値はMPR-R群で31カ月、MPR群は15カ月、MP群は12カ月で、MP群に対するMPR-R群のハザード比は0.301(p<0.001)、MPR群は0.618(p=0.006)だった。全患者の結果に比べ、65-75歳の患者ではMPR-R療法でPFSはより改善することが示された。また4年生存率がMPR-R群で69%、MPR群は61%、MP群は58%で、MP群に対するMPR-R群のハザード比は0.706(p=0.133)、MPR群は0.902(p=0.639)だった。

 メンテナンス療法を行った時点でのlandmark analysisでは、レナリドミドを用いたMPR-R群のPFSはMPR群に比べて有意に優れていた(ハザード比は0.34、p<0.001)。さらに65-75歳のサブグループ(ハザード比は0.349、p<0.001)でも、75歳超のサブグループ(ハザード比は0.297、p=0.03)でも同様の傾向が示された。また効果がVGPR以上の患者、PRの患者、ISS I/IIの患者、ISS IIIの患者のサブグループのいずれも有意にMPR-R群のPFSは優れていた。

 奏効率は、65-75歳の患者において、MPR-R 群が79.3%、MPR群が73.3%、MP群が47.4%で、VGPR以上の患者はそれぞれ35.3%、35.3%、11.2%だった。また奏効までの期間の比較では、MPR-R群のほうがMP群に比べて早期に奏効に達していることが示された。

 65-75歳の患者での有害事象は、導入療法では、グレード4の好中球減少がMPR群で約3割の患者に見られた。5%以上のグレード3/4の非血液毒性は、MPR群およびMP群で感染症が認められた。メンテナンス療法では、5%以上のグレード3/4の非血液毒性は、MPR-R群で感染症と骨痛が見られた。

 また二次発癌は、MPR-R群で12人(3.04%)、MPR群で10人(2.57%)、MP群で4人(0.98%)であり、血液癌はそれぞれ7人、6人、1人、固形癌は5人、5人、3人であった。

 メルファランの累積用量強度は、MPR群で65-75歳は83%だが、75歳超は50%、MP群ではそれぞれ83%、72%と、75歳超の患者の方が用量強度は低かった。またレナリドミドでは、MPR群で65-75歳は75%、75歳超は52%、MP群ではそれぞれ80%、79%だった。

 これらの結果から、「65-75歳の患者においてMPR-R療法によるレナリドミドの継続投与はMP療法に比べて有意に増悪リスクを低下させる」とした。