治療歴がない濾胞性リンパ腫(FL)患者に対する放射免疫療法(RIT)による地固め療法について、システマティックレビューとメタアナリシスが行われ、メタアナリシスから得られる完全寛解率(CR)は80%、5年時の無増悪生存率(PFS)は56%となり、有用と考えられる結果が示された。12月8日から13日まで米国サンディエゴで開催されている第53回米国血液学会(ASH2011)で、米Emory University-School of MedicineのAdam C Rose氏が発表した。

 FLの特徴は、無痛性に何度も再発し、寛解期間が短い状態で進行すること。最適な初期治療は不明である。

 早期の臨床試験では、ヨウ素131標識トシツモマブやイットリウム90標識イブリツモマブチウキセタンに結合させた抗CD20抗体を用いるRITにより、治療歴がない患者において、有望な完全寛解(CR)率と無増悪生存率(PFS)がもたらされたことが報告された。

 Rose氏らは、RITによる地固め療法の有用性を検証するため、システマティックレビューと選択した試験についてのメタアナリシスを行った。

 「濾胞性リンパ腫」と「治療レジメン」の単語を組み合わせて下記のデータベースを検索し、文献をレビューした。Cochrane Central Register of Controlled Trials(Cochrane Library Issue 2011)、MEDLINE(1966年1月〜2011年6月)、ASHの年次総会の抄録(2004〜2010年)、ASCOの年次総会の抄録(2007〜2010年)である。

 メタアナリシスの採用基準は、濾胞性リンパ腫で治療歴がない患者30人以上を対象としているフェーズ2/3試験、導入療法施行後にCD20を標的とするRITが行われている、CRまたは未確定完全寛解率(CRu)・全生存率(OS)・生存に関するデータが1つ以上含まれる、英語の文献であること――とした。
 
 抽出されたデータには、治療前の疾患の状態、患者背景、治療レジメン、CRと寛解率、無増悪生存率(PFS)とOSが含まれた。メタアナリシスから得られる寛解率、CR、2年時と5年時のPFSについて、DerSimonian and Laird Random Effects Modelsを用いて解析した。
 
 採用基準を満たし、レビューしたのは7試験、1136件の記録だった。1998〜2007年に登録された患者は556人となった。患者の年齢中央値は49〜57歳で、性別が報告された試験で男性が占める割合は41〜61%だった。患者の90〜100%がIII期またはIV期で、組織学が報告された試験では患者の73〜100%がグレード1または2だった。患者の19〜44%にLDH値の異常がみられ、20〜50%にリンパ節の腫大が認められた。
 
 導入療法として行われていたのは、リツキシマブとR-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)、R-CVP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)、CHOP療法、フルダラビンなどで、サイクル数は3〜6だった。RITではヨウ素131標識トシツモマブまたはイットリウム90標識イブリツモマブチウキセタン、リツキシマブが使用されていた。
 
 CR率は51〜96.5%で、メタアナリシスから得られるCR率は80%(95%信頼区間:66.2〜89.3%)となった。また寛解率は91.0〜99.8%で、メタアナリシスから得られる寛解率は98.0%(95%信頼区間:92.9〜99.5%)となった。
 
 2年時PFSは64.8〜86.1%、5年時PFSは38.5〜67.3%だった。メタアナリシスから得られる2年時PFSと5年時PFSは、それぞれ77.0%(95%信頼区間:69.8〜83.1%)と56.0%(95%信頼区間:41.9〜69.2%)となった。
 
 Rose氏は今回の解析には、患者背景や導入療法、RITが不均一で、出版におけるバイアスや検索が英語のみであったことによるバイアスがあり、限界があったと考察したうえで、ASH2011の同じセッションで発表された、米University of Texas MD Anderson Cancer CenterのNathan H. Fowler氏らのデータを参照に挙げた。Fowler氏らの検討では、CR率は91%、寛解率は100%、5年時のPFSは74%だった。

 最後にROSE氏は今回の結果について、「今後、RITと他のアプローチを比較するうえで根拠となる」と話した。