65歳未満の初発多発性骨髄腫患者に対し、高用量メルファランを伴う自家幹細胞移植(ASCT)は、MPR療法(メルファラン、プレドニゾン、レナリドミド)よりも無増悪生存期間(PFS)を延長させることが、プロスペクティブな無作為化試験で明らかになった。イタリアTorino大学のAntonio Palumbo氏らが、12月10日から13日に米国サンディエゴで開催されている米国血液学会(ASH2011)で発表した。

 対象は、62施設の65歳未満の初発多発性骨髄腫患者402人。まず全員にRd療法による導入療法を行った。28日おきに、レナリドミド25mg/日を第1日から第21日に、デキサメタゾン40mg/日を第1日と第8日、第15日、第22日に投与した。これを4サイクル行った。

 次に患者を無作為に2群に割り付け、地固め療法として、MPR群(202人)には、28日おきに、メルファラン 0.18mg/kg/日を第1日から第4日に、プレドニゾン 2mg/kg/日を第1日から第4日に、レナリドミド 10mg/日を第1日から第21日まで投与し、これを6サイクル行った。一方、メルファラン群(200人)には、メルファラン200mg/m 2の投与と幹細胞移植を2サイクル行った。

 さらに患者を2群に分け、メンテナンス療法を行う群と行わない群に分けた。メンテナンス療法では、28日おきにレナリドミド10mg/日を第1日から第21日に投与し、再発まで継続した。

 主要評価項目はPFSで、データはITT解析を行った。

 この結果、奏効率は2群で同等だった。完全奏効(CR)の患者割合はMPR群で20%、メルファラン群で25%(p=0.55)であり、最良部分奏効(VGPR)以上の患者はMPR群で60%、メルファラン群で62%(p=0.80)、部分奏効(PR)以上はそれぞれ95%、96%であった(p=0.77)。

 フォローアップ期間中央値26カ月で、2年PFS率はMPR群で54%、メルファラン群は73%だった(ハザード比0.506、p=0.0002)。PFS中央値はMPR群では25.26カ月だが、メルファラン群では到達していない。一方、2年生存率はMPR群で87%、メルファラン群で90%と有意差はなかった(ハザード比0.678、p=0.19)。

 サブセット解析で、治療効果別にみると、CRに達した患者のPFSは、MPR群に比べてメルファラン群で有意に優れていた(ハザード比は0.26、p=0.0009)。またCR以外の患者でも、CRに比べて差は小さいが、メルファラン群のほうが有意に良好だった(ハザード比は0.57、p=0.015)。

 染色体異常のt(4;14)やt(14;16)、del 17pがある高リスク患者では、メルファラン群のPFSはMPR群に比べて有意に優れ(ハザード比は0.32、p=0.004)、それらの染色体異常がない患者でもメルファラン群で良好だった(ハザード比は0.57、p=0.007)。

 しかし有害事象はメルファラン群で発生頻度が高く、グレード3/4の好中球減少(p<0.001)、血小板減少(p<0.001)、貧血(p<0.001)、感染症(p<0.001)、消化管毒性(p<0.001)が有意にメルファラン群で多かった。病勢進行による治療中止は有意にMPR群で多かったが(p<0.002)、有害事象による治療中止は有意差がなかった(p<0.501)。