進行性のびまん性大細胞性B細胞性リンパ腫(DLBCL)の65歳以下患者に対し、用量を強化(dose-intensified)したDouble-CHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)とリツキシマブの併用療法(R-D-CHOP療法)施行後の高用量化学療法(HDC)による地固め療法と自家幹細胞移植(ASCT)、または高用量のメトトレキサート(HDMTX)の投与は、安全で有効と考えられる結果が示された。12月8日から13日まで米国サンディエゴで開催されている第53回米国血液学会(ASH2011)で、日本大学医学部内科学系血液膠原病内科学分野の栗田大輔氏が発表した。

 HDC施行後のASCTは再発・難治性のDLBCLの標準治療となっているが、高リスクの患者では初期治療におけるHDCの役割が定まっておらず、またリツキシマブとHDCの併用、ASCTの役割についても議論されている。

 栗田氏らは過去にDouble-CHOP療法の有効性と安全性について報告している。今回は進行DLBCL患者に対し、リツキシマブを併用するR-D-CHOP療法の有効性を検討した。

 対象は、新たにCD20陽性DLBCLと診断され、年齢調整国際予後指標(aaIPI)で2つ以上のリスクがある65歳以下の患者。

 腫瘍溶解症候群を予防するため、R-D-CHOP療法を開始する前のCHOP療法は、標準用量で3週毎の施行とした。R-D-CHOP療法では、リツキシマブ375mg/m2を2日前に、シクロホスファミド750mg/m2を1〜2日目、ドキソルビシン50mg/m2を1〜2日目、ビンクリスチン1.4mg/m2(最大2.0mg/body)を1日目、プレドニゾロン50mg/m2を1〜5日目に投与した。61〜65歳の患者ではシクロホスファミドのみを減量した。R-D-CHOP療法は顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与しながら3週毎に計3サイクル行った。

 PSが良好な患者には、R-D-CHOP療法を3サイクル施行後、HDCによる地固め療法を行い、ASCTを行った。HDCでは、シクロホスファミド60mg/mgをASCTの7日前と6日前、エトポシド500mg/m2を6、5、4日前、ラニムスチン250mg/m2を3、2日前に投与した。一方、必要量の末梢血幹細胞を動員できない患者やPSが不良な患者には、高用量のメトトレキサート(HD-MTX)8g/m2を1日目に、ロイコボリンとともに投与することとした。

 2001年1月から2010年11月までに51人(年齢中央値54歳)が登録された。ECOG PSが0〜1の患者は22人、2〜3の患者は29人だった。Ann Arbor分類では、13人がIII期、38人がIV期で、LDHの平均値は1005 IU/lだった。26人(51%)に大きな腫瘤を認めた。

 51人中、49人が3サイクルのR-D-CHOP療法を完了した。R-D-CHO療法の治療間隔の中央値は22日だった。

 R-D-CHOP療法で寛解が得られたのは48人(94%)、完全寛解(CR)は40人(78%)で得られた。寛解した患者のうち30人でHDC/ASCTが成功した。HD-MTXの投与を受けたのは16人だった。3人は次のレジメンによる治療を受けた。

 全対象の3年の全生存率(OS)は78%、3年の無再発生存率(EFS)は61%となった。3年のOSは、HDC/ASCTを施行した患者で90%、HD-MTXを投与した患者では78%でいずれも良好な結果で、有意差はなかった(p=0.49)。

 グレード3以上の血液毒性では有熱性の好中球減少が40人(78%)に発現したが、G-CSFの投与などの適切な治療で改善し、重篤な合併症はみられなかった。治療関連死は観察期間には発生せず、1人のみに前立腺癌が発生した。

 栗田氏は「HDC/ASCTを施行した群とHD-MTXを施行した群のOSに有意差がみられなかった背景に、R-D-CHOP療法の有効性が反映された可能性がある。さらに検討していく必要がある」と話した。