再発・難治性急性前骨髄球性白血病(APL)に対し、 抗腫瘍性抗生物質結合抗CD33モノクローナル抗体製剤ゲムツズマブ・オゾガマイシン(以下GOと略、商品名「マイロターグ」)は、有効であり、安全に投与されていることが市販後の全例調査で明らかになった。浜松医科大学輸血・細胞治療部の竹下明裕氏らが、12月10日から13日に米国サンディエゴで開催されている米国血液学会(ASH2011)で発表した。

 GOは、抗CD33モノクローナル抗体ゲムツズマブに、抗腫瘍性抗生物質カリケアマイシン誘導体のオゾガマイシンが結合している薬剤。国内では再発または難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病(AML)を適応に使用されている。近年、AMLの1つであるAPLへの効果が高いことがわかってきた。

 調査では2005年から2008年に再発・難治性APL患者27人が登録され、データがそろっていた25人を対象に解析が行われた。またAML全体では726人が登録され、503人で解析された。

 APL患者ではGO単剤によるCR(完全寛解)率は52%、CRp(complete response with inadequate platelet recovery;血小板数以外は完全寛解の判定基準を満たす)率は9%だった。一方、AML患者においてCR率は10%と低く、CRp率は8%であった。

 APL患者において、若年者(60歳未満)でのCR率は43%、高齢者(60歳以上)は55%だが、有意な違いはなかった。再発回数別には、再発が1回の患者ではCR率は63.6%と高いが、2回以上では35.7%であった。また前治療でのCR期間が1年未満の患者のCR率は5%、1年以上では7%であった。三酸化ひ素(ATO、亜ヒ酸)による治療歴別では、治療歴がない患者のCR率は8%、治療歴がある患者では4%であった。

 APL患者の2年生存率は63%、AML患者では14%(p<0.0001)だった。2年RFS(無再発生存)率はAPL患者では71%だが、AML患者は20%と低く(p=0.0074)、APL患者の生存はAML患者に比べて有意に優れていた。

 グレード3以上の有害事象は、感染症がAPL患者では24%、AML患者では27.4%、出血がAPL患者は8%、AML患者では8.6%、肝障害がAPL患者で4%、AML患者では3.1%、静脈閉塞性肝疾患(SOS)は4%、AML患者では4.4%であり、APL患者の安全性プロファイルはAML患者とほぼ類似していた。また腫瘍溶解症候群はAML患者では2.3%だが、APL患者では見られなかった。

 未治療AML患者を対象とした海外のフェーズ3試験では、GOの有効性が示されなかったが、「再発・難治性APL患者においては、GO単剤は有効性が高く、比較的安全であった」とした。また「高齢者やATO治療後の患者でも有効性が見られた」とも竹下氏は話した。