60歳以上のマントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対するファーストライン治療として、抗CD20抗体製剤のオファツムマブと抗癌剤のベンダムスチンによる併用療法の忍容性は良好と考えられる結果が示された。成果は、12月8日から13日まで米国サンディエゴで開催されている第53回米国血液学会(ASH2011)で、イタリアFondazione IRCCS Istituto Nazionale TumoriのMichele Magni氏が発表した。

 MCLは進行性で、非ホジキンリンパ腫の中でも予後不良である。診断時の年齢中央値は63歳であり、高齢者は集中治療に対する忍容性が不良なため、MCLの高齢者に対するファーストライン治療が必要である。

 Magni氏らは、忍容性が高く、多くの60歳以上のMCL患者に適用できるレジメンをデザインし、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)の有効性の改善を目指し、オファツムマブとベンダムスチンによる新しい併用療法を検討した。

 対象は治療歴がないMCLの60歳以上の患者で、骨髄病変のみの患者は除外したが、病期は問わないこととした。21日を1サイクルとして、オファツムマブ1000mgを1日目(1サイクル目は300mgのみ)、ベンダムスチン120mg/m2を2、3日目、デキサメタゾン40mgを1〜4日目に投与(DOT療法)し、6サイクル繰り返すこととした。

 DOT療法を4サイクル施行後に部分寛解(PR)以上の効果が得られなかった患者は治療失敗と判断し、さらに2サイクル施行後に完全寛解(CR)以上の効果が得られなかった患者も治療失敗と判断した。CRとなった患者はオファツムマブによるメンテナンス療法に移行した。

 2011年11月31日までに予定した50人のうち41人が登録され、26人が全ての治療を受けた。26人中、男性は20人、年齢中央値は69歳だった。Ann Arbor分類では、III期2人、IV期24人だった。マントル細胞リンパ腫国際指標(MIPI score)では、低リスクが6人、中等度リスクが12人、高リスクが5人で、3人はデータが得られなかった。bcl1の転座は11人、IGHの転座は10人で検出された。
 
 治療に関連するグレード3以上の有害事象で多かったのは、好中球減少(15%)、有熱性の好中球減少(5%)、貧血(7%)、血小板減少(11%)だった。2人に腫瘍溶解症候群を認めた。感染性の合併症として、肺炎が2人、帯状疱疹の再発が1人に発症したが、いずれも抗生剤や抗ウイルス薬の投与により改善した。また、10人(38%)でサイトメガロウイルスの再活性化を認めたが、全員が抗サイトメガロウイルス療法を受けて陰性化した。
 
 評価が可能だった26人の寛解率は95%だった。CRは23人(88%)、PRは2人(8%)、1人(4%)は進行した。骨髄微小残存病変の評価が可能だった20人中、16人(80%)で分子的寛解が認められた。最終サイクルのDOT療法終了時に骨髄微小残存病変が陽性だった4人中、2人はメンテナンス療養としてオファツムマブを3カ月時と6カ月時に投与した後、陰性となった。
 
 有効性の予備的なデータも有望と考えられる結果だったことから、さらに評価を進めるため、Magni氏らは患者登録を継続中であるという。