不可逆的プロテアソーム阻害剤であるCarfilzomibは、複数の治療を受けた難治性の多発性骨髄腫に対して、効果が高く安全に投与できることが、フェーズ2試験(PX-171-003-A1)で明らかになった。米Hackensack University Medical CenterのDavid Samuel diCapua Siegel氏らが、12月4日から7日までオーランドで開催された第52回米国血液学会(ASH)で発表した。

 対象は難治性の多発性骨髄腫患者266人。最終治療の奏効率が25%未満で、治療中もしくは治療終了60日以内に増悪が見られた患者、あるいはボルテゾミブ 、サリドマイドもしくはレナリドミドを含む2レジメン以上の前治療で再発した患者とした。

 Carfilzomib 20 mg/m2を28日おきに週に2回、3週間投与した(第1日、2日、8日、9日、15日、16日に投与)。1サイクル終了後、27 mg/m2に増量し、同じスケジュールで12サイクルまで投与した。12サイクルを完遂した患者は拡大試験(PX-171-010)に登録した。

 主要評価項目は、奏効率(部分奏効以上)で、副次評価項目は臨床ベネフィット率(奏効率+最小奏効)、奏効期間、全生存期間(OS)、増悪までの期間 (TTP)、無増悪生存期間 (PFS)、安全性とした。

 多発性骨髄腫の罹病期間は中央値で5.4年、前治療数の中央値は5ライン(範囲は1-20ライン)で、82%の患者が4ライン以上の治療を受けていた。最終治療が無効となった患者が95%を占めた。前治療は、ボルテゾミブが99.6%、サリドマイドが75%、レナリドミドが94%、副腎皮質ステロイドが98%、アルキル化剤 が93%、幹細胞移植が74%、アントラサイクリン系製剤が64%だった。

 効果は257人で評価され、奏効率は24%で、完全奏効(CR)が0.4%、最良部分奏効(VGPR)が5.1%、部分奏効(PR)が18.7%であり、最小奏効(MR)が10.1%、病勢安定(SD)が34.6%、病勢進行(PD)が26.8%だった。このため臨床ベネフィット率は34%、病勢制御率(奏効率+MR+SD)は69%となり、奏効期間中央値は8.3カ月であった。

 なお前治療でボルテゾミブによる治療を1回受けた患者では奏効率は30%、奏効期間中央値は8.3カ月だが、2回以上受けた患者では奏効率は19%、奏効期間は6.9カ月だった。

 PFS中央値は3.7カ月(95%信頼区間:2.8-4.8)、OS中央値は15.5カ月(12.7-19.0)だった。効果判定がMR以上だった34%の患者では、奏効しなかった患者に比べて顕著にPFSとOSは延長し、VGPR、PR、MRの患者のOSは未達だが、SDの患者のOSは12.7カ月、PDは5.3カ月だった。また16%の患者が12サイクルを完遂した。

 グレード3/4の主な有害事象は、血小板減少(27%)、貧血(22%)、リンパ球減少(18%)、好中球減少(10%)、倦怠感(7%)で、末梢神経障害は0.8%(2人)と低頻度だった。

 これらの結果から、「Carfilzomib単剤投与は、前治療の多い難治性の多発性骨髄腫患者において効果があり、忍容性にも優れ、副作用は管理可能であった」とした。