再発性または難治性の濾胞性リンパ腫(FL)患者のレトロスペクティブな検討から、自己幹細胞移植(ASCT)施行前6カ月以内のリツキシマブの投与と、無再発生存率(EFS)および全生存率(OS)の改善が関連することが示された。 12月4日から7日まで米国オーランドで開催された第52回米国血液学会(ASH2010)で、カナダUniversity of CalgaryのAnthea Peters氏が発表した。

 FLは従来の化学療法では治癒が難しく、再発性のFLではASCTによる治癒の可能性についての答えが得られていない。リツキシマブが登場してからのASCT施行後の長期的なフォローアップに関する報告はなく、現在の臨床に反映させるためには有効性を検討する必要がある。

 Peters氏らは、大量化学療法(HDCT)とASCTを行った再発性または難治性のFL患者の長期的な転帰と、その転帰に影響するリツキシマブや他の因子の影響を評価するため、同施設で治療を受けた患者をレトロスペクティブに解析した。

 対象は、1993〜2008年にHDCTとASCTを行った再発性または難治性のFL患者100人(年齢中央値52歳)。

 最終治療からのEFSの中央値は12カ月だった。 FLIPIが2〜5の患者は63人、びまん性大細胞B細胞リンパ腫に移行したのは20人、初回寛解の期間が1年未満だった患者は48人、難治性の患者は25人だった。前治療で化学療法を1〜2回受けたが失敗した患者は90人に上った。

 ASCT施行前6カ月以内に、幹細胞を動員させるレジメンまたはHDCTでリツキシマブが投与されたのは67人(82%)で、全員が2000〜2008年の間に投与を受けていた。

 幹細胞を動員させるためのレジメンでは、化学療法と顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の投与または顆粒球輸血を行った患者と、リツキシマブ+化学療法+G-CSFを投与した患者は50人ずつだった。

 HDCTのレジメンでは、メルファラン±全身照射またはイブリツモマブの投与を行った患者は59人、BEAMレジメン(カルムスチン+シタラビン+エトポシド+メルファラン)±リツキシマブを併用した患者は21人、フルダラビン+ブスルファンの投与を行った患者は20人だった。

 転帰として、フォローアップ期間に31人が死亡した。このうち疾患関連死亡は24人、治療関連死は6人だった。1人は自殺だった。治療関連死のうち、100日以内に敗血症、髄膜結核が原因で死亡したのは2人、後期に骨髄異形成症候群(MDS)や急性骨髄性白血病(AML)に移行して死亡したのは4人だった。その他に重篤な有害事象が3人に発現し、内訳は進行性多病巣性白質脳症(PML)、ギラン・バレー症候群(GBS)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)だった。

 対象100人の5年全生存率は71%、5年EFSは57%だった。

 ASCT施行前6カ月以内にリツキシマブを使用した患者(67人)のEFSは、リツキシマブを使用しなかった患者(33人)と比べて有意に改善した(p=0.009、ハザード比2.46)。FLがリツキシマブの適応となってからの期間にASCT施行後のEFSの上昇が認められ、5年EFSは、ASCTを1993〜1999年に行った患者で40%、2000〜2003年に行った患者で54%、2004〜2008年に行った患者で69%となった。

 Peters氏は、「ASCT施行前6カ月以内にリツキシマブを投与すれば、濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)で予後不良が示される場合でも、克服できる可能性がある」と述べた。