重症再生不良性貧血において、HLA一致非血縁ドナーによる骨髄(BM)移植の転帰は、HLA一致同胞ドナーによるBM移植の転帰と同様であり、非血縁ドナーによる造血幹細胞移植(HSCT)を考慮する場合、末梢血前駆細胞(PBPC)と比べて骨髄は望ましい移植片と考えられる。12月4日から7日まで米国オーランドで開催されている第52回米国血液学会(ASH2010)で、米Medical College of WisconsinのMary Eapen氏が発表した。

 重症再生不良性貧血に対する非血縁ドナーによるHSCTの全生存率(OS)は、1998年は32%と不良で、最終的な治療選択肢と考えられていた。しかし近年では、OSの改善につながるコンディショニングレジメンの改善やPBPCの移植の増加など、状況は変化している。

 Eapen氏らは米国の多施設共同試験で、重症再生不良性貧血に対するHSCTの転帰を検討するため、BMとPBPCの移植について、非血縁ドナーと同胞ドナーで比較した。

 非血縁ドナーによるBM移植の検討は、2000〜2008年にHLA一致、またはHLAが不一致のドナーから移植を受けた388人(年齢中央値20歳)を対象とした。診断からHSCTまでの期間は12カ月未満が44%、12カ月以上が56%だった。

 コンディショニングレジメンには、低線量全身照射(TBI)+シクロホスファミド+抗胸腺細胞グロブリン(ATG)±フルダラビン、シクロホスファミド+ATG+フルダラビン、高線量TBI+シクロホスファミド±ATG、ブスルファンまたはメルファラン+フルダラビンを使用した。移植片対宿主病(GVHD)の予防にはシクロスポリンまたはタクロリムスを使用した。対象中、HLA-A、-B、-C、-DRB1が一致していたのは225人(60%)だった。

 急性GVHDの発現率は、HLA一致非血縁ドナーで31%、HLAが不一致の非血縁ドナーで47%であった(p=0.001)が、慢性GVHDの発現率は32%と39%だった(p=0.17)。

 3年OSは、HLA一致非血縁ドナーで78%、HLAが不一致の非血縁ドナーで58%となった(p<0.001)。

 HLA一致同胞ドナーによるBMとPBPCの移植の検討は、2000〜2008年に移植を受けた286人を比較した。BM群225人、PBPC群71人で、20歳以下の患者の割合は、BM群59%、PBPC群23%、パフォーマンススコアが90以上の患者の割合は、72%と62%だった。診断からHSCTまでの期間は、BM群13カ月、PBPC群11カ月、フォローアップ期間の中央値は3年だった。

 コンディショニングレジメンは、低線量TBI+シクロホスファミド+抗胸腺細胞グロブリン(ATG)±フルダラビンが両群で多く、BM群61%、PBPC群44%だった。次いでシクロホスファミド+ATG±フルダラビンで、28%と30%に使用された。GVHDの予防にシクロスポリンを含むレジメンが使用されたのは、BM群67%、PBPC群39%で、タクロリムスを含むレジメンが使用されたのは32%と58%だった。

 好中球の回復は、28日の時点でBM群90%、PBPC群96%だった(p=0.13)。血小板の回復は60日の時点でBM群81%、PBPC群91%だった(p=0.02)。

 急性GVHDの発現率は、100日の時点でBM群31%、PBPC群48%であった(p=0.01)。慢性GVHDの発現率は、20歳以下の患者では3年の時点でBM群26%、PBPC28%、20歳を超えるとBM群40%、PBPC群58%であった(p=0.001)。いずれもPBPC群で有意に高かった。

 3年OSは、BM群76%、PBPC群61%で有意差を認めた(p=0.04)。BM群の値はHLA一致非血縁ドナーでBMを移植した場合の値と類似していた。

 OSの危険因子として抽出されたのは、PBPCの移植、HSCT施行時のパフォーマンススコアの低下、TBIを含まないレジメン、20歳を超える年齢であった。

 Eapen氏は「今回得られたデータは、低線量TBIを含むコンディショニングレジメンの使用も裏付けるもの」と話した。