多発性骨髄腫に対して免疫調節剤であるレナリドミドポマリドミドは、細胞接着因子の発現を阻害して、破骨細胞形成を抑制する可能性のあることが明らかになった。イタリアUniversity of ParmaのNicola Giuliani氏らが、12月4日から7日までオーランドで開催された第52回米国血液学会(ASH)で発表した。

 多発性骨髄腫(MM)患者の骨髄では、骨髄間質細胞(BMSC)や骨芽前駆細胞の破骨細胞分化因子(RANKL)の発現が亢進しており、RANKLとOPG(破骨細胞形成抑制因子)の比率(以下、RANKL/OPG比)の増加が、MMによる破骨細胞形成と関連しているといわれている。

 そこで研究グループは、BMSCをヒト骨髄腫細胞株(HMCL)と共培養して、2μMと100μM濃度のレナリドミドおよびポマリドミドを投与した結果、BMSCによるRANKL分泌は抑制され、特にポマリドミドはレナリドミドに比べて強い抑制効果が見られた。またRANKL/OPG比も、レナリドミドやポマリドミドの投与で顕著に低下した。

 フローサイトメトリーでは、レナリドミドとポマリドミドは、BMSCの存在にかかわらず、用量依存的に、MM細胞の細胞接着分子であるVLA-4 (CD49d)の発現を阻害することが示された。

 さらにマイクロアレイによる解析の結果、ヒトBMSCでは、レナリドミド投与で71遺伝子が、ポマリドミドによって214遺伝子が修飾を受けており、それらは接着点(focal adhesion)や細胞周期、BMP2、TGF-β、IL-6シグナル経路などに関連した遺伝子であった。またHMCLでは、レナリドミドとポマリドミドによって、細胞接着分子であるインテグリンα8(ITGA8)やICAM2の発現が抑制されることが示された。

 これらのデータから、「免疫調節剤(IMiD)は、MM細胞による細胞接着分子の発現を阻害して、RANKL/OPG比を低下させ、MMによる破骨細胞形成を阻害することが示された」とまとめた。