イマチニブの登場によって、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(ALL)における完全寛解(CR)率が向上し、同種造血幹細胞移植も増加したことが明らかとなった。その結果、イベントフリー生存率、無再発生存率、全生存率も向上したことが明らかとなった。成果は12月4日から7日に開催された米国血液学会で、英University College LondonのAdele K.Fielding氏によって発表された。

 今回発表されたのは、1993年に英National Cancer Resarch Instituteと米Eastern Cooperative Oncology Groupが開始した、同種造血幹細胞移植前にフィラデルフィア染色体陽性ALL患者に導入療法を行った試験の結果。266人の患者はイマチニブが登場する以前に、2段階の導入化学療法を受けた(イマチニブ前群)。イマチニブの登場によって2003年に試験方法が変更され、2段階の導入療法の後に地固め療法としてイマチニブ1日600mgを移植前に投与した群(86人、イマチニブ後期群)が設定された。2005年には導入療法の2段階目の化学療法と同時に1日600mgのイマチニブを28日間投与し移植を行った群(89人、イマチニブ早期群)が設定された。同種造血幹細胞移植を受けた患者は全員、イマチニブを移植後2年間投与された。移植がなんらかの理由で不適切とされた患者には、イマチニブがメンテナンス療法として2年間投与された。

 試験の結果、3年間の観察期間後の全生存率は、イマチニブ前群は25%だったのに対して、イマチニブ後期群34%、イマチニブ早期群は48%で、イマチニブ群全体として43%となり統計学的に有意に改善していた(p=0.0001)。イベントフリー生存率も、イマチニブ前群は19%だったのに対して、イマチニブ後期群29%、イマチニブ早期群は35%で、イマチニブ群全体として37%統計学的に有意に改善していた(p<0.0001)。

 イマチニブ前群で同種造血幹細胞移植を受けられたのは28%で、移植を受けた患者の5年全生存率は40%(移植を受けられなかった患者は19%)だったが、イマチニブ後期群と早期群を合わせて同種造血幹細胞移植を受けられた患者は44%で、移植を受けた患者の3年全生存率は59%(移植を受けられなかった患者は28%)だった。