化学療法で寛解に至った急性骨髄性白血病(AML)患者の再発予防として、Wilms腫瘍蛋白(WT1)のmRNAを導入した樹状細胞ワクチンは有用である可能性がフェーズ1/2試験で明らかになった。ベルギーUniversity of Antwerp/Antwerp University HospitalのZwi N. Berneman氏らが、12月4日から7日までオーランドで開催されている第52回米国血液学会(ASH)で発表した。

 WT1は腫瘍抗原の1つで、白血病をはじめ乳癌や肺癌などの固形癌の発症や進行に関わっている。研究グループは、フェーズ1/2試験において、急性骨髄性白血病(AML) 患者17人を対象に、WT1を腫瘍の目印とした樹状細胞(DC)ワクチンを2週間に1回の頻度で4回投与し、その効果を調べた。抗原提示細胞であるDCに、WT1 mRNAを電気穿孔法で導入することで、WT1を標的としたT細胞を誘導するしくみだ。

 この結果、化学療法で部分寛解となった3人のうち2人は、DCワクチンで完全寛解に至った。また17人のうち9人では、DCワクチンによって、WT1 mRNA 腫瘍マーカーが正常値になった(奏効群)。

 全生存期間中央値は奏効群では52.0カ月だが、非奏効群では6.0カ月だった(p=0.0007)。 無再発期間中央値は奏効群で47.0カ月、非奏効群で 3.0カ月であった (p< 0.0001)。

 奏効群の9人のうち3人が再発、2人が死亡した。非奏効群の8人では7人が再発し、死亡した。部分寛解からDCワクチンで完全寛解に至った2人では、1人が再発して死亡した。

 10人において免疫応答のモニタリングが行われた。その結果、DCワクチンによってインターロイキン2と活性化CD4+ T細胞の増加が認められた。またWT1特異的CD8+ T細胞によるインターフェロンγの産生が見られた。さらに奏効群ではDCワクチン後、活性化NK細胞が増加した。

 これらのことから、Berneman氏は「WT1を標的としたDCワクチンは、AML患者の再発を防ぐ戦略として期待できる」と述べた。