抗CD20モノクローナル抗体製剤リツキシマブによる2年間の維持療法は、未治療の濾胞性リンパ腫患者の無増悪生存期間を延長させ、2次治療に移行するまでの期間を延長させることが、無作為化フェーズ3試験PRIMAにおける3年間のフォローアップで明らかになった。12月4日から7日までオーランドで開催されている米国血液学会(ASH)で、仏Centre Hospitalier Lyon-SudのGilles Salles氏らが発表した。

 PRIMA試験には、未治療の進行濾胞性リンパ腫患者1217人が登録された。リツキシマブと化学療法による導入療法で完全奏効(CR)もしくは不確定完全奏効(CRu)、部分奏効(PR)が認められた患者を、リツキシマブによる2年間の維持療法を行う群(505人)と経過観察をする群(513人)に無作為に割り付けた。2群間で患者背景に有意な違いはなかった。

 中間解析では、2年間のフォローアップで、リツキシマブによる維持療法がリンパ腫の増悪リスクを有意に低下させることが報告されている。

 今回は3年間のフォローアップの結果が報告された。3年間の無増悪生存(PFS)率は、リツキシマブ投与群では74.9% (95%信頼区間:70.9-78.9%)、経過観察群では57.6% (53.2-62.0%) 、ハザード比は0.55(0.44-0.68)、p<0.0001だった。

 また性別、年齢(60歳未満、 60歳以上)、FLIPI(濾胞性リンパ腫国際予後指標;1以下、2、3以上)、導入療法(R-CHOP療法、R-CVP療法、R-FCM療法)、導入療法の効果(CR/CRu、PR)によるサブグループ解析でも、リツキシマブ投与群は経過観察群に比べて良好な結果を示した。

 Cox回帰分析では、高齢 (p=0.0013)、男性 (p=0.013)、FLIPI高値 (p<0.0001)、R-CVP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)による導入療法(p=0.003)、経過観察(p<0.0001)が有意にPFSの低下と関連した。

 さらにリツキシマブ投与群では、2次治療に移行するまでの期間が有意に長かった(ハザード比0.62、95%信頼区間:0.47-0.81)。死亡はリツキシマブ投与群で26人、経過観察群は30人で、全生存期間に有意な違いはなかった。

 維持療法終了時にCRもしくはCRuだった患者は、リツキシマブ投与群では72%、経過観察群は52%だった(p=0.0001)。また無作為化の時点でPRだった患者が維持療法でCRもしくはCRuになった患者割合は、リツキシマブ投与群は52%、経過観察群は30%であった (p<0.0001)。

 有害事象は経過観察群で37%、リツキシマブ投与群で56%に見られた。グレード3/4の有害事象は経過観察群が17%、リツキシマブ投与群が24%で、好中球減少はそれぞれ1%、4%、感染症は1%、4%だった。新たな毒性は認められなかった。

 またQOLの評価(FACT-G、EORTC QLQ-C30)では、2群間に有意な違いはなく、リツキシマブによる維持療法はQOLを低下させないことが示された。

 これらの結果から、「PRIMA試験の結果から、リツキシマブ維持療法は導入療法が奏効した全ての濾胞性リンパ腫患者で標準治療として考慮されるべきである」としている。