進行腎細胞癌(RCC)に対するファーストライン治療として、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤tivozanibとソラフェニブを比較したフェーズ3のTIVO-1試験から全生存期間(OS)の最終結果が報告され、OSに有意差は認められないことがわかった。2月14日から16日まで米国オーランドで開催された2013 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米国Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのRobert John Motzer氏が発表した。

 TIVO-1試験は、非盲検、多施設共同、並行群間比較のランダム化試験で、転移を有するRCC(mRCC)患者を対象として、tivozanibとソラフェニブを比較している。対象は、淡明細胞癌で、腎摘除術の治療歴があり、mRCCに対する全身治療は1回以下で、抗VEGFR療法やmTOR阻害剤の投与を受けておらず、ECOG PS 1以下であることとされた。tivozanib 1.5mgを1日1回、3週間経口投与し、その後1週間休薬する群と、ソラフェニブ400mgを1日2回、4週サイクルで投与する群のいずれかに、患者をランダムに割り付けた。ソラフェニブ群で進行を認めた患者にのみ、長期試験のプロトコールでtivozanibへのクロスオーバーが認められた。

 この試験ではすでに主要評価項目が達成されたことが報告されている。無増悪生存期間(PFS)中央値は、tivozanib群11.9カ月(95%信頼区間:9.3-14.7)、ソラフェニブ群9.1カ月(同:7.3-9.5)だった(p=0.042)。

 全対象の追跡が2年以上行われ、今回はOSの最終解析の結果と、OSに寄与する後治療のデータが報告された。OSはITT解析対象で評価され、データにはソラフェニブからtivozanibにクロスオーバーした患者も含まれた。

 ITT解析対象は、tivozanib群260人(年齢中央値59歳、男性71%)、ソラフェニブ群257人(同59歳、74%)だった。ECOG PS 0の患者はtivozanib群45%、ソラフェニブ群54%だった。Memorial Sloan-Kettering Cancer Centerのリスク分類でpoorの患者の割合は、tivozanib群7%、ソラフェニブ群4%だった。

 最終解析において死亡は219人(42%)で、tivozanib群では118人、ソラフェニブ群では101人だった。OS中央値は、tivozanib群28.8カ月(95%信頼区間:22.5-未到達)、ソラフェニブ群29.3カ月(同:29.3-未到達)となり、ソラフェニブ群で延長する傾向が認められた(ハザード比1.25、p=0.105)。

 OSの比較には後治療での使用の違いが影響しており、今回の結果はソラフェニブ群のみで認められたtivozanibへのクロスオーバーと一致するものだった。

 tivozanib群では、ソラフェニブ群と比べて最初に割り付けられた治療を継続する患者が多く、PFSの結果と一致した。tivozanib群では、27%が生存中でtizovanibの投与を継続しているのに対し、ソラフェニブ群では、12%が生存中でソラフェニブの投与を継続していた。

 最初に割り付けられた治療を中止した患者のうち、tivozanib群では36%が後治療を受け、そのうち抗VEGF療法を受けたのは10%だった。ソラフェニブ群では75%が後治療を受け、そのうち抗VEGF療法を受けたのは70%(158人中156人がtivozanib)だった。

 後治療を受けた患者では、OSはtivozanib群と比べてソラフェニブ群で延長し、後治療が抗VEGF療法だった患者に限定してもこの傾向は同様だった。