転移を有する進行腎細胞癌(mRCC)にmTOR阻害剤であるテムシロリムスを投与した場合とエベロリムスを投与した場合では、副作用が異なる可能性が明らかとなった。呼吸器系の副作用はテムシロリムス投与患者よりもエベロリムス投与患者の方が多いことが示唆された。2月14日から16に米国オーランドで開催された2013 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、近畿大学泌尿器科学の野澤昌弘氏によって発表された。

 野澤氏らは、近畿大学病院でmRCCに対して、テムシロリムスかエベロリムスの投与を受けた患者について解析を行った。全体で54人の患者が評価可能で43人がエベロリムス、21人がテムシロリムス、10人が両方の薬剤の投与を受けていた。エベロリムス投与患者とテムシロリムス投与患者で年齢、性別に有意な差はなかった。投薬期間中央値はエベロリムス投与患者が2.7カ月(0.5-32.7)、テムシロリムス投与患者が1.8カ月(0.2-11.3)だった。平均相対用量強度はエベロリムス投与患者が70.0%(範囲:22-100)、テムシロリムス投与患者が77.5%(範囲:19-100)だった。

 副作用について解析したところ、エベロリムス投与患者で、貧血、間質性肺炎の発現の頻度が有意に高かった。貧血はエベロリムスが全グレードが91%、グレード3/4は9%、テムシロリムスは全グレードが67%、グレード3/4が14%で、全グレードに関して有意(p=0.031)な差があった。間質性肺炎についてはエベロリムスが全グレードが30%、グレード3/4は16%、テムシロリムスは全グレードが5%、グレード3/4が0で、全グレードとグレード3/4に関して有意(p=0.025)な差があった。

 またグレード3以上の副作用はエベロリムス投与患者が56%に対して、テムシロリムス投与患者では38%だった。

 野澤氏は副作用の差について、「経口剤であることと静脈内投与製剤の違い、毎日投与と週1回投与の違いが薬物動態に影響している可能性がある。テムシロリムスの投与期間が短いことが影響している可能性もある。今後症例数を拡大して検討していきたい」と語った。