フランスの実地臨床における転移性腎細胞癌に対するスニチニブの有効性は、同薬のフェーズ3試験の成績と同等であることが多施設共同観察研究SANTORINから示された。2月14日から米国オーランドで開催された2013 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、フランスCHU de BordeauxのAlain Ravaud氏が発表した。

 欧州では2007年1月から、転移性腎細胞癌に対するファーストライン治療としてスニチニブが利用可能となっている。SANTORIN研究は、フランスの実地臨床におけるスニチニブの使用実態と有効性を検討するために行われた観察研究で、2008年1月から2010年4月までにフランスの36施設において転移性腎細胞癌に対しファーストライン治療としてスニチニブ投与を受けた患者を対象に、投与開始から2年間追跡した。

 診療歴をもとに患者背景、有効性、予後の検討を行った。

 対象となったのは302例で、平均年齢64.3歳、男性比率73.2%、淡明細胞癌85.4%、ECOG PS 0、1がそれぞれ33.8%、29.5%。転移巣数が1個だったのは35.8%、腎摘除術施行例は85.4%だった。なお、淡明細胞癌だった258例では、平均年齢64.8歳、男性比率72.9%、ECOG PS 0、1だったのは33.3%、28.3%、転移巣数が1個だったのは35.7%、腎摘除術施行例は89.5%で、対象者全体と差はなかった。

 投与開始時のスニチニブの用量が25mg/日だったのは4.0%(淡明細胞癌グループ4.3%)、37.5mg/日だったのは11.3%(同12.8%)、50mg/日だったのは83.4%(同82.2%)だった。スニチニブ治療期間中央値は10.7カ月(淡明細胞癌グループ11.9カ月)、投与サイクル数中央値は6サイクル(同6サイクル)、減量を要したのは65.2%(同68.2%)だった。

 治療中止理由は、病勢進行が61.1%(淡明細胞癌グループ61.0%)、死亡が31.2%(同31.9%)、有害事象が6.8%(同6.6%)、その他の理由が1.0%(同0%)だった。

 完全奏効(CR)は2.3%(淡明細胞癌グループ2.7%)、部分奏効(PR)は28.8%(同31.4%)で、奏効率は31.3%(同34.1%)だった。

 1年生存率は70.8%(95%信頼区間:65.3-75.5)、淡明細胞癌グループでは73.9%(同:68.1-78.8)、2年生存率は49.5%(95%信頼区間:43.7-55.0)、淡明細胞癌グループでは52.5%(同:43.7-55.0)だった。

 生存期間中央値は23.6カ月(95%信頼区間:19.9-27.4)だった。淡明細胞癌グループでは中央値に到達していない。

 1年無増悪生存率は38.2%(95%信頼区間:32.7-43.7)、淡明細胞癌グループでは40.9%(同:34.8-46.8)、2年無増悪生存率は16.4%(95%信頼区間:12.5-20.9)、淡明細胞癌グループでは17.3%(同:7.6-9.9)、無増悪生存期間中央値は8.4カ月(95%信頼茎安:7.6-9.9)、淡明細胞癌グループでは9.5カ月(同:8.1-11.0)だった。

 これらの結果からRevaud氏は、フランスの実地臨床におけるスニチニブの効果は、スニチニブの臨床試験から得られている成績と近似しており、特に淡明細胞癌では顕著であると締めくくった。