スニチニブ投与によりグレード3または4の好中球減少発生の相対リスクは3.32倍、血小板減少発生の相対リスクは4.59倍であり、スニチニブ投与時には定期的な血液検査が重要であることが、8500例を超える患者を対象としたメタ解析の結果から示された。2月14日から米国オーランドで開催された2013 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米国The Tisch Cancer Instituteの船越智洋氏が発表した。

 メタ解析の結果から、スニチニブ投与により血液学的毒性の発生リスクが高まることが、ASCO-GU2010で発表されているが、その詳細な発生率などの解明は十分ではなかった。そこで、船越氏らは、最新のシステミックレビューとメタ解析を行った。

 メタ解析の対象としたのは、2012年6月までの、MedlineとASCO年次総会のアブストラクトに掲載された臨床試験。フェーズ2、3試験とスニチニブの拡大アクセス試験を統合して解析した。

 統合した結果、スニチニブ単独投与の条件で行った60試験8526例が血液学的毒性の発生率評価の対象となり、ランダム化試験10試験から2667例が相対リスク評価の対象となった。最も多かったのは腎細胞癌15試験で、続いて非小細胞肺癌7試験、乳癌6試験、肝細胞癌4試験だった。

 スニチニブの用量とスケジュールは、37.5mg/日を連日投与したのが31試験、50mg/日で4週投与2週休薬したのが42試験だった。

 全グレードの血液学的毒性の発生率は、好中球減少が42.1%、血小板減少が44.7%、貧血が50.4%だった。うちグレード3、4については、好中球減少が12.8%、血小板減少が10.7%、貧血が6.2%だった。

 全グレードの好中球減少の相対リスクは3.58(95%信頼区間:1.71-7.49)、血小板減少の相対リスクは4.59(同:2.76-7.63)、貧血の相対リスクは1.15(同:1.00-1.31)だった。

 グレード3、4の好中球減少の相対リスクは3.32(95%信頼区間:1.60-6.90)、血小板減少の相対リスクは5.84(同:2.22-15.41)だった。

 また、サブグループ解析から、グレード3、4の好中球減少は、スニチニブと他剤の併用投与の場合の相対リスクが2.48だったのに対し、スニチニブ単独投与の相対リスクは18.20と有意に高いことが示された。血小板減少と貧血については、単独投与と併用投与の相対リスクに有意な差は認められなかった。

 腎細胞癌を対象とした場合と腎細胞癌以外を対象とした場合の間では血液学的毒性発生率に有意差はなく、またスニチニブ連日投与の場合と4週投与2週休薬の場合の間でも発生率に有意差はなかった。

 これらの結果から船越氏は、スニチニブ投与はグレード3、4の好中球減少や血小板減少、全グレードの貧血の発生リスクを有意に上昇させることが示されたとし、スニチニブ投与時にはこうしたリスクを把握した上で血液検査値のモニタリングを定期的に行うことが重要だと指摘した。