転移を有する腎細胞癌(mRCC)で治療歴がない患者に対し、アキシチニブの増量(dose titration)を行った患者は、増量を行わなかった患者と比べて奏効率が有意に改善することが、前向きのフェーズ2試験から示された。2月14日から16日まで米国オーランドで開催された2013 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米国Cleveland Clinic Taussig Cancer InstituteのBrian I. Rini氏が発表した。

 アキシチニブの薬物動態の解析から、mRCC患者では曝露量の多さと良好な転帰の相関が示されている。個々の患者の忍容性に基づいた投与量調整は、曝露量を最適にし、有効性を改善する可能性があるが、アキシチニブの増量についての前向きな検討は行われていない。そのためRini氏らは、治療歴がないmRCC患者を対象とした前向き、二重盲検のフェーズ2試験において、アキシチニブ5mgの1日2回の投与に加え、アキシチニブまたはプラセボの増量を行う群の奏効率を比較する試験を実施した。

 この試験ではまず全例に、導入期間にアキシチニブ5mgを1日2回、4週間経口投与した。この導入期間中に2週連続して以下の条件を満たしている患者に対して増量の有用性を検証した:血圧が150/90mmHg以下、アキシチニブに関連するグレード3/4の毒性が発現していない、導入期間に減量していない、降圧薬の使用が2剤以下。

 4週後、アキシチニブ5mgの1日2回の投与に加え、アキシチニブの増量を行う群(A群)、またはプラセボによる増量を行う群(B群)のいずれかに患者をランダムに割り付けた。 投与量調整では段階的に7mgの1日2回投与とし、その後も上記の基準を満たしていれば、最大で10mgの1日2回投与とした。投与量調整の基準を満たさない患者には、5mg以下で投与した(C群)。この試験の主要評価項目はA群とB群の奏効率の比較で、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などだった。

 213人が登録され、ランダム化に進んだ患者は112人で、A群とB群はともに56人となった。ランダム化に進めなかった患者(C群)は91人だった。10人は導入期間に逸脱した。

 A群、B群、C群において、平均年齢はそれぞれ59.7歳、59.6歳、62.9歳、男性の割合は66%、80%、60%、ECOG PS 0の患者の割合は64%、61%、69%、腎摘除術を受けた患者の割合は89%、80%、89%だった。

 2012年10月12日までの時点で、全対象の奏効率は48%となった。奏効率は、A群54%、B群34%となり、アキシチニブの増量を行ったA群で有意に上昇した(p=0.019)。C群は59%だった。

 初回投与からのPFS中央値は、全対象で14.6カ月(95%信頼区間:11.5-17.5)となった。PFSのハザード比では、A群はB群と比べて良好な傾向が示された(ハザード比0.85、95%信頼区間:0.54-1.35、p=0.244)。

 有害事象(全グレード)で多く観察されたのは、高血圧、下痢、疲労感などだった。A群、B群、C群において、高血圧はそれぞれ61%、43%、82%、下痢は61%、63%、63%、疲労感は45%、46%、54%に発現した。患者の10%以上に発現したグレード3以上の有害事象は高血圧で、A群18%、B群9%、C群50%だった。

 この試験の安全性、薬物動態、バイオマーカーのデータ、長期追跡によるOSの完全なデータの解析は、現在進行中である。