pT3の前立腺癌に根治的前立腺摘除術(RP)を施行後、補助放射線療法と経過観察(Wait-and-See)を比較したフェーズ3のARO 96-02/AUO AP09/95試験から、補助放射線療法は10年後の生化学的再発のリスクを有意に低下させることが示された。2月14日から16日まで米国オーランドで開催された2013 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、ドイツUniversity Hospital UlmのThomas Wiegel氏が発表した。

 pT3 R1またはR0の患者では、RP施行後の補助放射線療法について見解の一致が得られていない。長期追跡から、生化学的非再発率(bNED)を改善するが生存期間は改善しないとする報告がある一方、bNEDだけでなく全生存期間(OS)も改善するとの報告もある。

 Wiegel氏らは、ARO 96-02/AUO AP09/95試験で得られた10年間の追跡結果を報告した。この試験の対象は、pT3 R0/1 pN0 M0、RP施行後でPSA非再発(<0.05ng/mL)の前立腺癌患者。主要評価項目はbNEDだった。

 388人がランダム化され、PSA非再発と判定する前に、経過観察(Wait-and-See)群(A群)と放射線治療(60Gy)を行う群(B群)に各194人が割り付けられた。このうちRP施行後もPSA非再発とならなかった患者を両群から除外し、A群159人、B群148人となった。

 A群とB群において、年齢中央値はそれぞれ64歳と65歳だった。pT3aの割合、pT3bの割合、pN0の割合、切除断端陽性の割合は、それぞれ47%と51%、17%と16%、98%と99%、61%と68%となった。Gleasonスコアが7-9の患者の割合は、それぞれ64%と62%だった。

 追跡期間中央値は112カ月だった。生化学的再発は、A群67人、B群38人で認められた。主要評価項目はbPFS(無増悪生存期間)として発表され、A群40%、B群61%となり、RP施行後の補助放射線療法により有意な改善が認められた(p=0.000022)。

 一方、術後遠隔転移するまでの期間とOSには両群で差はなかった(それぞれp=0.56、p=0.59)。Wiegel氏はOSで有意差が得られなかった理由として、検出力不足をあげた。

 放射線療法による急性の副作用の発生率は、膀胱でRTOGグレード3が3%、直腸でグレード2が12%だった。遅発性の副作用の発生率は低く、膀胱でグレード2が2%、グレード3が1%、直腸でグレード2が1%などだった。狭窄は、放射線療法で3%、経過観察で1%に発生した。

 またこの試験では、サブグループ解析の無増悪生存期間(PFS)から、pT3R1の患者ではRP施行後の補助放射線療法が過剰な治療となる確率が低いことも示された。