転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)でドセタキセルベースの治療を受けた患者に、アンドロゲン受容体阻害剤のenzalutamideを投与した場合、コルチコステロイドを使用した患者は使用しなかった患者よりも生存期間が良くないことが分かった。また使用した患者のほうが副作用が多かった。ただし、コルチコステロイドの使用の有無に関わらず、enzalutamide群の方がプラセボ群よりも良い結果だった。フェーズ3試験AFFIRMの解析の結果示されたもの。2月14日から16日まで米国オーランドで開催されている2013 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのHoward I. Scher氏によって発表された。

 AFFIRM試験はドセタキセルを投与された経験のあるmCRPC患者を対象にした試験で、enzalutamideを投与した群はプラセボ群に対して4.8カ月、全生存期間(OS)が延長できることが明らかとなっている。一方、非臨床モデルでコルチコステロイドがアンドロゲン受容体の情報伝達経路を活性化することなどが報告されている。また、昨年の欧州臨床腫瘍学会で、AFFIRM試験のデータの多変量モデルで、ベースラインでのコルチコステロイドの使用がOSを低下させることが示されていた。今回、ベースラインおよび試験期間中にコルチコステロイドを使用することがOSに影響を与えるかどうかが評価された。

 AFFIRM試験はドセタキセルを投与された経験のあるmCRPC患者を、1日あたりenzalutamide160mgを投与する患者とプラセボを投与する患者に分けて行われた。患者はコルチコステロイドの併用が許されていた。AFFIRM試験の主要評価項目はOSだった。試験中の経口コルチコステロイド使用の定義は試験中の1日以上の服用とした。

 解析の結果、試験中コルチコステロイドを使用した患者はenzalutamide群800人中381人(47.6%)、プラセボ群399人中178人(44.6%)だった。ベースラインの予後因子はコルチコステロイド使用患者に比べて、非使用患者のほうがわずかによかった。

 コルチコステロイドを使用していないenzalutamide群患者のOS中央値は未到達、コルチコステロイドを使用していないプラセボ群は18.8カ月(95%信頼区間:15.5-未到達)だった。コルチコステロイドを使用していたenzalutamide群患者のOS中央値は12.8カ月(95%信頼区間:11.4-14.6)、コルチコステロイドを使用していたプラセボ群は9.6カ月(同:8.0-10.6)だった。 ハザード比は非使用群で0.504(95%信頼区間:0.376-0.675)、p<0.0001、使用群で0.685(同:0.546-0.859)、p=0.001だった。

 画像的無増悪生存期間中央値は、コルチコステロイドを使用していないenzalutamide群患者は11.1カ月(95%信頼区間:10.8-12.2)、コルチコステロイドを使用していないプラセボ群は3.0カ月(同:2.8-4.9)だった。コルチコステロイドを使用していたenzalutamide群患者の画像的無増悪生存期間中央値は5.6カ月(95%信頼区間:5.5-6.5)、コルチコステロイドを使用していたプラセボ群は2.9カ月(同:2.8-3.5)。ハザード比は非使用群で0.255(95%信頼区間:0.206-0.316)、p<0.0001、使用群で0.598(同:0.488-0.731)、p<0.0001だった。

 PSA増悪までの時間の中央値は、コルチコステロイドを使用していないenzalutamide群患者は8.6カ月(95%信頼区間:8.3-11.1)、コルチコステロイドを使用していないプラセボ群は2.9カ月(同:2.9-3.6)だった。コルチコステロイドを使用していたenzalutamide群患者のPSA増悪までの時間の中央値は5.6カ月(95%信頼区間:4.7-5.6)、コルチコステロイドを使用していたプラセボ群は3.1カ月(同:2.9-3.7)だった。ハザード比は非使用群で0.145(95%信頼区間:0.108-0.194)、p<0.0001、使用群で0.443(同:0.331-0.592)、p<0.0001だった。

 コルチコステロイドを使用した患者のグレード3/4の副作用発現率は63.3%で、非使用患者は34.4%だった。