転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に対して、ドセタキセルにダサチニブを加えても、ドセタキセル単剤と比べて全生存期間(OS)は延長できないことが明らかとなった。フェーズ3試験READYの結果、示されたもの。2月14日から16日まで米国オーランドで開催されている2013 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米University of Texas MD Anderson Cancer CenterのJohn C. Araujo氏によって発表された。

 mCRPCにおいて、アンドロゲン非依存性にSRCキナーゼが関与している可能性が指摘されている。ダサチニブは前臨床試験でSRCキナーゼを含むキナーゼを阻害し、抗転移活性、腫瘍の微小環境における破骨細胞機能の阻害、ドセタキセルとの相乗効果が示されていた。mCRPC患者におけるフェーズ1/2試験で、ドセタキセルとダサチニブを併用したところ、忍容性が認められ、一般的に認められているよりも高い奏効率が得られ、骨代謝マーカーの減少が認められていた。

 READY試験は国際的な無作為化プラセボ対象二重盲検試験として実施された。mCRPC患者1522人が、3週間おきにドセタキセル75mg/m2、プレドニゾン5mg1日2回に加えて1日1回ダサチニブ100mgを投与される群(762人、併用群)と、プラセボを投与される群(760人、プラセボ群)に無作為に割り付けられた。主要評価項目はOS。副次評価項目は奏効率、TFSRE(最初の骨関連イベントまでの時間)、TRSAP(前立腺特異抗原増悪までの時間)、尿中N-テロペプチド(uNTX)減少、無増悪生存期間(PFS)、疼痛減少、安全性だった。

 試験の結果、OS中央値は併用群が21.5カ月、プラセボ群が21.2カ月、ハザード比0.99(95.5%信頼区間:0.87-1.13)、p=0.9009で差は認められなかった。

 その他の項目もほとんど差がなかった。奏効率は併用群が30.5%、プラセボ群が31.9%。TFSRE中央値は併用群は未到達、プラセボ群が31.1カ月でハザード比0.81(95%信頼区間:0.64-1.02)だった。uNTX減少は併用群が66.0%、プラセボ群が60.6%。PFS中央値は併用群が11.8カ月、プラセボ群が11.1カ月、TPSAP中央値は併用群が8.0カ月、プラセボ群が7.6カ月。疼痛減少は併用群が66.6%、プラセボ群が71.5%だった。併用群の23%、プラセボ群の14%は投薬期間が3カ月未満だった。

 多く認められた副作用は下痢、倦怠感、脱毛、吐き気だった。グレード3/4の副作用は貧血(併用群8.0%、プラセボ群5.9%)、好中球減少症(6.2%、5.5%)、低カルシウム血症(3.5%、3.1%)、胃腸出血(2.6%、1.3%)、胸水(1.3%、0.4%)などだった。