癌登録などの登録制度を利用したスウェーデンのポピュレーションベースの解析から、転移を有する腎細胞癌(mRCC)患者の全生存期間(OS)の改善は、分子標的薬や診断法が開発された時期と一致してみられ、特に治療でのチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の使用と相関する結果が示された。2月2日から4日までサンフランシスコで開催された2012 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、スウェーデンKarolinska University Hospital and Karolinska InstitutetのUlrika Harmenberg氏が発表した。

 スウェーデンには、包括的で質の高い疫学的データが得られる公衆衛生の登録制度(public health registry)がある。
 
 RENal COMParison(RENCOMP)試験は、スウェーデンの癌登録と他の2つの全国的な登録(National Patient Register、Swedish Prescribed Drug Register)のデータを用いたレトロスペクティブな非介入試験。同試験の目的は、RCCの治療と生存について特定の期間と地域の傾向を評価し、治療法の影響を示すことだった。
 
 Harmenberg氏らは、同試験のmRCC患者について、治療とその他の因子がOSに与える影響について解析した。
 
 OSは、2000〜2005年と分子標的治療導入後の2006〜2008年にそれぞれ診断を受けた患者で比較した。また、ファーストライン治療(スニチニブ、ソラフェニブ、IFN-α)、逐次的治療がOSに及ぼす影響を評価し、mRCC患者のOSに影響するその他の因子も検討した。
 
 2000〜2008年に8009人がRCCの診断を受け、このうち3243人(40%)がmRCCの診断基準を満たしていた。mRCC診断時の平均年齢は68歳、男性が62%を占めた。遠隔転移を有する患者の60%が腎摘除術を受けていた。
 
 処方のデータが入手できた2005年7月〜2010年10月に、TKIの処方を受けたのは417人(13%)で、ファーストライン治療、または他のTKIやIFN-αで治療した後のセカンドライン治療として処方されていた。ファーストライン治療では、スニチニブは244人、ソラフェニブは110人に処方され、セカンドライン治療ではそれぞれ71人と90人に処方された。
 
 2000〜2008年にmRCCの診断を受けた全患者の未調整のOS中央値は12.6カ月だった。OS中央値は、2000〜2005年に診断を受けた患者の10.2カ月に対し、2006〜2008年に診断を受けた患者では17.7カ月に延長した(p<0.001)。