転移を有する腎細胞癌(mRCC)に対しスニチニブで治療した患者の検討から、治療前のCRP値が重要な予後予測因子となることが示された。2月2日から4日までサンフランシスコで開催された2012 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、癌研有明病院泌尿器科の安田庸輔氏が発表した。

 CRPはmRCCの重要な予後予測因子であることが知られているが、エビデンスの多くはサイトカイン療法を受けた患者によるものであり、現在のファーストライン治療であるスニチニブで治療した患者の生存に対する影響は完全には解明されていない。

 そのため安田氏らは、スニチニブで治療したmRCC患者に対するCRPの予後予測因子としての影響を評価した。

 対象は、2008年4月から2011年1月までに同院でmRCCに対しスニチニブで治療を行った37人。このうち7人は前治療でソラフェニブを使用していたため除外した。30人中、前治療として9人(30%)が免疫療法、16人(55.5%)が腎摘除術を受けていた。

 変数として、ヘモグロビン値、アルブミン値、カルシウム値、LDH値、ECOG PS、前治療の免疫療法と腎摘除術、転移部位の数、治療前のCRP値が評価された。治療前のCRP値のカットオフ値は8mg/Lとした。

 追跡期間中央値は9カ月(範囲:1-25)だった。

 単変量解析では、治療前のCRP値と血小板増加が全生存期間(OS)に対する有意な予後予測因子だった(それぞれp=0.0116、p=0.03)。

 多変量解析では、治療前のCRP値がOSに対する唯一の独立した予後予測因子となり、ハザード比は3.15(95%信頼区間:1.28-13.82)となった(p=0.0103)。
 
 治療前のCRP値が8mg/L以上だった患者は14人(46.7%)だった。治療前のCRP値が8mg/L以上だった患者の1年全生存率は35.7%で、同値が8mg/L未満だった患者の91.7%と比較して有意に不良だった(p=0.012)。

 追跡期間中に7人(23.3%)がmRCCで死亡した。対象全体のOS中央値は未到達であるが、CRP値が8mg/L以上だった患者に限ると、OS中央値は9.9カ月だった。