転移性腎細胞癌に対するファーストライン治療でチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が有効であった症例に対して、セカンドライン治療としてのTKIとmTOR阻害薬の有効性は同等である可能性が示された。2月2日から4日までサンフランシスコで開催された2012 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、フランスGeorges Pompidou European HospitalのReza-Thierry Elaidi氏が発表した。

 転移性腎細胞癌治療において、ファーストライン治療としてTKIが投与され、長期間有効であった症例に対し、セカンドライン治療としてTKI、mTOR阻害薬のどちらが有効なのかは明らかになっていない。そこでElaidi氏らは、欧州9施設において、ファーストライン治療にTKI、セカンドライン治療にTKIの逐次療法、あるいはファーストライン治療はTKIで、セカンドライン治療にはmTOR阻害薬の逐次療法を実施した転移性腎細胞癌患者を対象に、投薬期間、画像診断による奏効率などについて後ろ向きに解析を行った。ファーストライン治療とセカンドライン治療の間に1つ以上の他の種類の薬剤を投与されている症例は除外した。

 解析対象となったのは、診断時の年齢(中央値)が55〜57歳、男性が多く、ファーストライン治療前の時点で、ECOG PSが0である症例が約7割、転移巣数が1カ所である症例が3〜4割、2〜3カ所が5〜6割、骨転移例は21〜25%だった。ファーストライン治療のTKIとして約8割はスニチニブが投与されていた。

 第1解析として、不応(NR)を投薬期間4カ月未満で病勢進行(PD)、短期有効(STR)を投薬期間4〜6カ月で病勢安定(SD)または部分奏効(PR)、長期有効(LTR)を投薬期間6カ月超でSD/PRと定義し、セカンドライン治療別に解析した。

 その結果、ファーストライン治療のTKIに対して、LTRが得られたのは106例。この106例を解析したところ、セカンドライン治療としてTKIを投与された58例では、LTRが30例(52%)、STRが13例(22%)、NRが15例(26%)だった。セカンドライン治療がmTOR阻害薬だった48例では、LTRが16例(33%)、STRが15例(31%)、NRが17例(36%)だった。

 次に、第2解析として、NRを投薬期間4カ月未満でPD、STRを投薬期間4〜11カ月でSD/PR、LTRを投薬期間11カ月超でSD/PRと定義し、セカンドライン治療別に解析した。

 その結果、ファーストライン治療のTKIに対して、LTRが得られたのは74例で、この74例を解析したところ、セカンドライン治療としてTKIを投与された40例では、LTRが9例(23%)、STRが16例(37%)、NRが15例(40%)だった。セカンドライン治療がmTOR阻害薬だった34例では、LTRが9例(27%)、STRが13例(35%)、NRが12例(38%)だった。

 第1解析、第2解析それぞれについて、セカンドライン治療の中止率を評価した結果、いずれの解析においてもTKIとmTOR阻害薬の間に有意な差は見られなかった。

 これらの結果から、ファーストライン治療としてのTKIが有効だった症例では、セカンドライン治療としてのTKI、mTOR阻害薬はいずれも有効である可能性が示唆されると締めくくった。