局所進行または転移性移行上皮癌に対して、標準療法であるゲムシタビンとシスプラチンに加えてエリブリンを投与することが有効であることが明らかとなった。フェーズ1b/2試験のフェーズ1b部分の結果から示されたもの。成果は2月2日から4日にサンフランシスコで開催されている2012 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米Comprehensive Cancer Centers of NevadaのNicholas J. Vogelzang氏によって発表された。

 エリブリンは化学療法を受けていない進行尿路上皮癌を対象に単剤で投与するフェーズ2試験で、奏効率が41%、無増悪生存期間中央値が3.9カ月、全生存期間中央値が9.4カ月であったことが既に発表されている。今回発表された実施中のオープンラベル多施設フェーズ1b/2試験は、標準治療にエリブリンを追加する可能性を調べるために行われている。

 フェーズ1b試験はエリブリンの用量を3段階に増多して行われる予定だった。局所進行または転移性膀胱癌の標準療法であるゲムシタビン(21日を1サイクルとして1日目と8日目に1000mg/m2を投与)とシスプラチン(1日目に70mg/m2を投与)に、21日を1サイクルとして1日目と8日目にエリブリンを静脈内投与した。フェーズ2試験部分ではゲムシタビン、シスプラチン、エリブリン群(GCE群)と、ゲムシタビン、シスプラチン群(GE)群に1対1に分けて実施されている。

 フェーズ1b試験には9人(年齢範囲は48-76歳、男性が7人、8人がステージ4、M0が5人、M1が2人、MXが1人、不明が1人)の患者が参加した。患者はエリブリンの用量が0.7mg/m2群に3人、1.0mg/m2群に6人が入れられた。40サイクルが行われた。1.0mg/m2群で1件の用量制限毒性(DLT、グレード4の血小板減少症)が認められた。予定されていた1.4mg/m2群は、DLT(重篤な血液毒性)が多く発現する可能性があると判断されて実施されず、最大耐量(MTD)は決定されなかった。1.0mg/m2をエリブリンのフェーズ2推奨用量とした。

 1.0mg/m2群で多く見られた副作用は吐き気が6人(グレード3が5人)、貧血が5人(グレード3は0)、倦怠感が5人(グレード3が2人)、食欲低下が5人(グレード3は0)、血小板減少症が4人(グレード3が3人)、好中球減少症が3人(グレード3が3人)、無力症が3人(グレード3が1人)、脱毛が3人(グレード3が0)などだった。

 1.0mg/m2群における最良効果は完全奏効(CR)が1人、部分奏効(PR)が4人だった。2群合わせた奏効率は89%で、2人がCR(未確認が1人)、6人がPR(2人が未確認)となった。

 フェーズ2試験はGCE群に4人、GC群に4人登録された段階(年齢範囲は54-76歳、男性が7人、7人がステージ4、M0が5人、M1が3人)で、GCE群はPRが1人、SDが2人(1人は13週目に死亡)、1人は不明、GC群はPRが1人、SDが2人、1人は不明となっている。GCE群はサイクル数が12(平均3)で重篤な副作用が2人(グレード3の菌血症と腸閉塞症が1人、グレード4の発熱性好中球減少症と薬剤に関係ない胃腸穿孔が1人)、グレード3以上の貧血が2人、白血球減少が1人、好中球減少が3人、血小板減少が3人、倦怠感が2人だった。GC群はサイクル数が18(平均4.5)で重篤な副作用はなく、グレード3以上の貧血が2人、好中球減少が4人、血小板減少が3人、倦怠感が3人だった。