進行去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)のドセタキセル抵抗性の克服に向けて、テムシロリムスドセタキセルの併用を検討するフェーズ1/2試験から、用量の調節により忍容可能となり、薬物動態的相互作用はみられず、抗腫瘍活性が示唆されることがわかった。2月2日から4日までサンフランシスコで開催されている2012 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、スペインCentro Integral Oncologico Clara CampalのIgnacio Duran氏が発表した。

 進行CRPCにおけるドセタキセル抵抗性のメカニズムは十分には解明されていない。前臨床試験では、ドセタキセル投与中にテムシロリムスを追加すると、PTENが欠損した腫瘍の増殖を遅らせること、また複数の前立腺癌細胞株で併用による相乗効果が認められたことが報告された。しかし、ヒトにおけるデータはまだ報告されていない。
 
 Duran氏らは、テムシロリムスとドセタキセルの併用を検討する非盲検のフェーズ1/2試験を実施した。主要評価項目は、最大耐用量(MTD)とフェーズ2試験の推奨量を決定することだった。

 フェーズ1の部分では、標準治療に難治性の進行固形腫瘍の患者を対象とし、推奨量が決定した時点でCRPC患者のコホートを拡大することとした。フェーズ2の部分では、ドセタキセルで進行したCRPC患者のみを対象とすることとした。今回はフェーズ1の結果が報告された。

 ドセタキセルは3週毎、テムシロリムスは当初2、9、16日目に投与したが、過度の骨髄毒性を回避するためプロトコールが変更され、テムシロリムスの9日目の投与は中止された。

 同試験は3+3デザインとし、次の用量レベルを設定した。用量レベル1:ドセタキセル50mg/m2+テムシロリムス15mg、用量レベル2:ドセタキセル65mg/m2+テムシロリムス15mg、用量レベル3:ドセタキセル75mg/m2+テムシロリムス15mg、用量レベル4:ドセタキセル75mg/m2+テムシロリムス25mg。
 
 フェーズ1にはCRPC患者2人を含む13人(年齢中央値65歳、男性9人)が登録され、用量レベル1に9人、用量レベル2に4人が割付けられた。投与サイクルの中央値はそれぞれ4サイクルと2.8サイクルだった。
 
 用量レベル2の2人に用量制限毒性(DLT)が発現し、内訳は忍容不能なグレード2の粘膜炎と有熱性の好中球減少だった。

 グレード3以上の有害事象で多く発現したのは、白血球減少(27.6%)、好中球減少(29.7%)、低リン酸血症(23%)だった。
 
 薬剤間の薬物動態的相互作用はみられなかった。

 フェーズ2試験では、3週毎の投与スケジュールで、ドセタキセル50mg/m2は1日目、テムシロリムス15mgは2、16日目に投与されることとなった。
 
 13人中、用量レベル1の4人、用量レベル2の2人が安定状態(SD)となった。CRPC患者は2人ともSDとなり、うち1人はドセタキセルを9サイクル投与した前治療で進行した患者だったが、本試験治療では有用性が持続した。
 
 CRPC患者のみを対象とするフェーズ2試験は多施設共同で行われる予定で、現在患者登録が進められている。