転移のない去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)で骨転移が発生するリスクが高い患者に対し、抗RANKL抗体denosumabは無骨転移生存期間(bone metastasis free survival:BMFS)を有意に延長することがわかった。2月2日から4日までサンフランシスコで開催されている2012 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米Massachusetts General Hospital Cancer CenterのMatthew R. Smith氏が発表した。

 転移のないCRPC患者では、前立腺特異抗原倍加時間(PSADT)は骨転移発生の重要な予測因子である。また最近、骨転移のリスクが高いCRPC患者のBMFSをdenosumabが有意に延長したことが報告された。

 Smith氏らはBMFSを評価するため、さらに解析を行い、PSADTによるリスクとdenosumabの有効性を検討した。

 対象は、転移のないCRPCで、PSA値が8.0ng/mL以上および/またはPSADTが10カ月以下の骨転移のリスクが高い患者1432人。denosumab 120mgを4週毎に皮下注射する群とプラセボを投与する群に、各716人が無作為に割付けられた。

 主要評価項目はBMFSで、最初の骨転移(症候性または無症候性)または試験中の死亡までの期間とされた。

 両群の患者背景は類似していた。年齢中央値、診断から試験参加までの期間、前治療のアンドロゲン遮断療法(ADT)はいずれも同じで、それぞれ74歳、6.1年、3.9年だった。denosumab群とプラセボ群において、ベースラインのPSA中央値は12.2ng/mLと12.5ng/mL、PSADT中央値は5.15カ月と5.05カ月、診断時のGleasonスコアが8〜10だったのは237人と214人だった。

 BMFS中央値は、denosumab群29.5カ月、プラセボ群25.2カ月で、ハザード比は0.85(95%信頼区間:0.73-0.98)となり、denosumab群で骨転移のリスクが15%低下した(p=0.028)。
 
 denosumab群とプラセボ群で多く発現した有害事象は、背部痛(23.3%と22.1%)、便秘(17.6%と16.9%)、関節痛(17.1%と15.9%)などだった。重篤な有害事象はdenosumab群45.7%、プラセボ群45.8%に発現した。顎骨壊死はdenosumab群のみに発現した(4.6%)。低カルシウム血症はdenosumab群1.7%、プラセボ群0.3%だった。
 
 プラセボ群でPSADTが短いほど骨転移や死亡の相対的なリスクが上昇したことから、Smith氏らはPSADTと骨転移または死亡のリスクとの関係について、サブセット解析を行った。
 
 プラセボとの比較で、denosumabはPSADTが短い患者の骨折や死亡のリスクを確実に低下させる結果が示された。リスクの低下は、PSADTが10カ月以下の患者で16%(p=0.042)、6カ月以下の患者で23%(p=0.006)、4カ月以下の患者で29%(p=0.004)となった。

 今回の検討では、骨転移または死亡のリスクが高い患者の同定にPSADTが有用であることも確認された。