mTOR阻害剤のテムシロリムスが化学療法未治療の去勢療法抵抗性前立腺癌(CRPC)に有効である可能性が明らかとなった。フェーズ2試験で有望な結果が得られたもの。成果は2月2日から4日にサンフランシスコで開催されている2012 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米Advocate General HospitalのChadi Nabhan氏によって発表された。

 CRPC患者で癌抑制遺伝子であるPTENに変異があるとmTORを含む下流の情報伝達系たんぱく質が活性化され、細胞増殖を引き起こしている可能性が指摘されている。

 研究グループは、フェーズ2試験としてCRPC患者を対象に毎週25mg、病状が進行するまで投与した。主要評価項目は、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、病勢安定(SD)を合わせた臨床的利益率とした。副次評価項目は毒性、次治療までの時間(TTNT)、画像評価における進行までの時間(TTP)、PSA増悪までの時間(TTP-PSA)、QOLへの影響、全生存期間(OS)とした。

 現在までに18人の患者が登録された。年齢中央値は75歳(57-89)、グリーソンスコア7以上が14人(77%)、PSA中央値が211.3(10.8-1449)だった。10人(55.5%)が骨と内臓の両方に病変を有していた。アンドロゲン枯渇療法を受けた期間の中央値は60カ月(17-240)。前治療には前立腺全摘出術(3人)、小線源療法(3人)、外部放射線照射(5人)、アンドロゲン枯渇療法(7人)が含まれていた。

 全患者について安全性の評価が、16人について抗腫瘍効果の評価が可能だった。6人が増悪前に試験から離脱した。生化学的な効果のデータは15人について得られ、4人でPSA減少、1人で50%超のPSA減少が認められた。TTP-PSA中央値は2カ月(2-12)だった。RECISTによる評価ができた16人で、PRが2人、SDが9人で臨床的利益率は69%となった。TTPまたは毒性のための中止までの中央値は3カ月(2-10)、TTNT中央値は4カ月(2-11)だった。観察期間中央値18カ月で、OS中央値は13カ月だった。

 多く認められたグレード3/4の副作用は血小板減少症、高血糖(それぞれ22%)、倦怠感、低リン血症(それぞれ17%)、貧血、肺炎(それぞれ11%)。4人が投与量を1レベル、3人が2レベル、副作用のために下げた。テムシロリムスはQOLに悪影響を与えることはなかった。

 研究グループは、他の薬剤との併用でCRPCに対するテムシロリムスの効果を評価すべきとしている。