Alpharadin(塩化ラジウム223)の骨関連イベントの発現時間遅延効果は、特に脊髄圧迫(SCC)に有効であることが明らかとなった。症候性骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)において、Alpharadin(塩化ラジウム223)投与群がプラセボ群と比べ、有意に全生存期間(OS)を延長することを示したフェーズ3臨床試験であるALSYMPCA試験の結果の詳細から示された。成果は2月2日から4日にサンフランシスコで開催されている2012 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米Tulane Cancer CenterのOliver Sarttor氏が発表した。

 Alpharadinは、骨転移を有する癌患者の治療を目的として開発中のアルファ線放射性医薬品。カルシウム類似作用をもつアルファ線放出核種の化合物。

 ALSYMPCA試験の対象は、2個以上の骨転移巣を有し、他臓器には転移がない、症候性骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者。ドセタキセル投与例とドセタキセル不使用例のいずれの場合も含めた。計922例が登録され、標準療法に加えてalpharadin(50kBq/kg)を投与する群と、標準療法+プラセボ群の2群に割り付けた。alpharadinおよびプラセボは4週ごとに6回投与とした。

 主要評価項目は全生存期間(OS)で、副次評価項目は骨関連事象(SRE)発現までの時間、前立腺癌特異抗原(PSA)およびアルカリホスファターゼ(ALP)値の変化と増悪までの期間、安全性などだった。

 ALSYMPCA試験は試験途中でAlpharadinの有効性が確認されたため中断しており、中間解析の対象となった809例が解析された。Alpharadin群541例、プラセボ群268例だった。

 登録時患者背景は、平均年齢は両群ともに70歳、登録時のECOGスコアは1以下が両群ともに約85%、転移巣が6個未満はAlpharadin群16%、プラセボ群12%、6〜12個はAlpharadin群44%、プラセボ群48%、20個以上が両群ともに40%だった。WHOラダーによる痛みのインデックスが2以上だった症例は両群ともに約54%だった。Hb値は両群ともに約12で、PSA値はAlpharadin群159μg/L、プラセボ群195μg/Lだった。

 中間解析の時点でalpharadinを6回投与されたのは約50%で、1〜5回投与された症例がそれぞれ約10%程度ずつだった。

 OS中央値はプラセボ群が11.2カ月だったのに対してAlpharadin群は14カ月で、ハザード比0.695(95%信頼区間:0.552-0.875、p=0.00185)と、Aplharadin群で有意に延長していた。

 副次評価項目である骨関連イベント(SRE)の発症までの期間は、プラセボ群8.4カ月に対し、Alpharadin群13.6カ月で、ハザード比0.610(95%信頼区間:0.461-0.807、p=0.000046)と、Alpharadin群で有意に延長していた。

 病的骨折(Pathological Bone Fracture)は、Alpharadin群が541人中20件(4%)、プラセボ群が268人中18件(7%)で、発症までの時間のalpharadin群のプラセボ群に対するハザード比は0.45(95%信頼区間:0.24-0.86)、p=0.013だった。SCCがAlpharadin群17件(3%)、プラセボ群が16件(6%)で、発症までの時間のハザード比は0.44(95%信頼区間:0.22-0.88)、p=0.016。外部ビーム放射線療法(external beam radiotherapy )はAlpharadin群が122件(23%)、プラセボ群が72件(27%)で、発症までの時間のハザード比は0.65(95%信頼区間:0.48-0.87)、p=0.0038。外科的介入(surgical intervention)はAlpharadin群が9件(2%)、プラセボ群が5件(2%)で、発症までの時間のハザード比は0.80(95%信頼区間:0.27-2.4)、p=0.69で、外科的介入以外は有意に発症までの時間を延長していた。特にSCCが最も良い結果だった。