経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬であるMDV3100が、ドセタキセルを含む化学療法を受けたが進行した去勢療法抵抗性前立腺癌(CRPC)患者の全生存期間(OS)を延長したという、フェーズ3 AFFIRM試験の詳細が発表された。AFFIRM試験は2011年11月に有効性が示されたため、早期試験中止となっている。成果は2月2日から4日にサンフランシスコで開催されている2012 Genitourinary Cancers Symposiumで、米Memorial Sloan−Kettering Cancer CenterのHoward Scher氏によって発表された。

 MDV3100は、アンドロゲン受容体へのテストステロンの結合と、アンドロゲン受容体の核への移行、そしてアンドロゲン受容体と標的DNAの結合および活性化という3点を阻害し、前立腺癌の増殖を阻止する。

 国際的な二重盲検の無作為化試験AFFIRMは、15カ国156施設でドセタキセルを含む化学療法を受けたが進行したホルモン療法抵抗性前立腺癌患者1199人を登録し、MDV3100(160mg/日)群と偽薬群に2対1で割り付けて行われた。MDV3100群(800人)の年齢中央値は69歳(41-92)、プラセボ群は69歳(49-89)で、75歳以上は、MDV3100群が24.9%、プラセボ群が26.1%だった。主要評価項目はOSだった。

 今回発表された中間解析の結果、OSの中央値は、MDV3100群が18.4カ月(95%信頼区間:17.3-未到達)、偽薬群が13.6カ月(95%信頼区間:11.3−15.8)で、4.8カ月延長し、死亡のハザード比は0.631(95%信頼区間:0.529-0.752)、p<0.0001で有意に延長していた。MDV3100群の41.1%、プラセボ群の58.4%が、1種類以上の後治療(Abiraterone acetate、Cabazitaxelなど)を受けていた。カプランマイヤー曲線は試験開始後間もなく開き始め、時間とともに幅は拡大していた。サブグループ解析では、PS2の患者、前化学療法レジメン数2以上の患者以外では、有意にMDV3100群のOSが長かった。PS2の患者、前化学療法レジメン数2以上の患者でも、MDV3100群に長い傾向があった。

 画像学的な無増悪生存期間はMDV3100群8.3カ月、プラセボ群は2.9カ月で、ハザード比0.404(95%信頼区間:0.350-0.466)、p<0.0001で、MDV3100は有意に骨転移、原発巣の増悪を遅らせた。さらに完全奏効(CR)と部分奏効(PR)を合わせた画像的奏効率はMDV3100群が約28.9%だったのに対して、プラセボ群は3.8%だった(p<0.0001)。また、PSA値のベースラインからの50%以上の減少がMDV3100群の54.0%、プラセボ群の1.5%に、90%以上の減少がMDV3100群の24.8%(p<0.0001)、プラセボ群の0.9%(p<0.0001)に見られた。PSA値増悪までの時間の中央値はプラセボ群が3.0カ月、MDV3100群は8.3カ月で、ハザード比が0.248(95%信頼区間:0.204-0.303)、p<0.0001で有意にMDV3100群で長かった。

 MDV3100群で多く見られた副作用は倦怠感(グレード3以上はMDV3100群6.3%、プラセボ群7.3%)、下痢グレード3以上はMDV3100群1.1%、プラセボ群0.33%、ほてり(グレード3以上なし)だった。副作用は一般的に軽度だった。

 Scher氏は「MDV3100はドセタキセル治療後の最初の治療の選択肢になるだろう」と語った。MDV3100を前立腺癌のより早期のステージに使う試験が進行中だ。