スニチニブによって原発巣で早期に10%以上の縮小がみられた、転移を有する腎細胞癌患者は、全生存期間(OS)が長くなる可能性が明らかとなった。レトロスペクティブな解析の結果示されたもの。成果は2月17日から19日にオーランドで開催されたGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で米University of Wisconsin School of Medicene and Public HealthのE.Abel氏によって発表された。

 研究グループは、原発巣を持つ転移を有する腎細胞癌で、スニチニブの治療を施設で受けた患者のデータベースを解析した。個々の患者について臨床データ、病理学的データを収集した。原発巣への効果はCTまたはMRIの連続画像で評価した。

 単変量及び多変量のCox比例ハザード回帰分析を行いOSの延長に寄与する因子の探索を行った。

 2004年11月から2009年12月の間の患者75人のデータを解析。観察期間中央値は15カ月だった。ベースラインの原発巣の腫瘍径中央値は9.7cmで、治療期間中央値120日目で原発巣の縮小の中央値は10.2%だった。38人(50.7%)の患者で10%以上の原発巣の縮小が認められた。投薬の最初の60日間における10%以上の腫瘍径の縮小が7人で認められ、最大縮小率は60日以降に10%以上縮小した患者よりも大きかった。

 多変量解析の結果、10%以上の原発巣の縮小は死亡のリスクの軽減と関連しており、ハザード比は0.37(95%信頼区間:0.19-0.72)だった。さらに60日以内という早期の原発巣の10%以上の縮小は、より強く死亡のリスク減少と関連しており、ハザード比は0.26(95%信頼区間:0.08-0.89)。また、原発巣への早期の効果が認められた患者のOS中央値は約30カ月で、60日以降に縮小が認められた患者、認められなかった患者よりも大幅に延長していた。

 一方、多変量解析で生存期間を短くする独立因子として、後腹膜リンパ節腫大、複数の骨転移、動脈血栓の臨床的な証拠、正常上限値を超えるLDH、2カ所を超える内臓転移部位が同定された。