ファーストライン治療でスニチニブを使用する転移性腎細胞癌(mRCC)患者において、18F-2-デオキシ-2-フルオロ-D-グルコース(FDG)を用いたポジトロン断層・コンピュータ断層複合撮影(18F-FDG PET-CT)の代謝的奏効から、治療を3サイクル終了した時点で予後を予測できる可能性がフェーズ2の前向き試験から示された。2月17日から19日にかけて米国オーランドで開催された2011 Genitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、英国St. Bartholomew’s HospitalのThomas Powles氏が発表した。

 18F-FDG PET-CTにより、消化管間質腫瘍GIST)でスニチニブが有用な患者の同定が可能となっているが、治療効果を予測するマーカーがないmRCCでは十分な検討が行われていない。

 Powles氏らは、スニチニブに対する18F-FDG PET-CTの奏効がmRCC患者の転帰と相関すると仮定し、これを検証した。

 対象は、MSKCC(Memorial Sloan Kettering Cancer Center)のリスク分類でintermediateまたはpoorのリスク群に分類されるmRCC患者44人(年齢中央値61歳)。

 スニチニブは50mgを1日1回で4週間投与、その後2週間休薬とし、これを1サイクルとした。

 18F-FDG PET-CTは計3回、すなわち、治療前、スニチニブによる治療が1サイクル終了した2日後(4週時)、3回目の投与が終わった16週時の2日後に撮影した。Standardized Uptake Value(SUV)最大値(SUVmax)が20%以上低下した場合を奏効、新たな病変の出現やSUVmaxが20%上昇した場合を進行と定義した。

 治療前の18F-FDG PET-CTは44人が受け、うち43人(98%)が陽性で代謝的な進行が認められた。多変量解析を行うと、SUVmaxは無増悪生存期間(PFS)の減少と有意に相関し、ハザード比(HR)は4.13(95%CI:1.72〜9.91)だった(p<0.01)。SUVmaxは全生存期間(OS)の減少とも有意に相関し、HRは3.30(95%CI:1.36〜8.44)だった(p<0.01)。

 4週時の18F-FDG PET-CTは42人が受け、SUVmaxの減少は中央値で22%であった。代謝性的奏効は24人(57%)で認められたが、この時点ではPFSやOSの延長との有意な相関はみられなかった(いずれもp>0.05)。

 16週時の18F-FDG PET-CTは39人が受け、治療前と比べてSUVmaxの減少は中央値で13%であった。代謝的奏効は14人(36%)で認められた。12人(28%)では代謝的な進行を認めた。この時点で、代謝的な進行はPFSとOSの減少のいずれにも有意に相関した。PFSのHRは12.13(95%CI:3.72〜46.45)となり(p<0.01)、OSのHRは5.96(95%CI:2.43〜19.02)であった(p<0.01)。

 OSの中央値は14.4カ月、PFSの中央値は9.2カ月であった。

 Powles氏は、英国にはmRCCに対するセカンドライン治療がないことがOSに影響した可能性を指摘するとともに、「mRCCでは代謝の活性が亢進する。CTよりも18F-FDG PET-CTで進行が早くみられるため、後天的な抵抗性を示す早期のマーカーとなる可能性がある」と話した。