転移を有する腎細胞癌VEGF標的療法を受けた患者で、病勢制御ができた患者の中には、治療を中止してもある程度の期間、増悪しない患者がいることが明らかとなった。レトロスペクティブな解析の結果示されたもので、2月17日から19日にオーランドで開催されたGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU)で、米Cleveland Clinic Taussig Cancer CenterのS.Sadeghi氏が発表した。

 研究グループは2004年1月から2009年11月までにCleveland Clinic Taussig Cancer CenterとInstitut Gustave RoussyでVEGF標的療法を受けた腎細胞癌患者についてレトロスペクティブな解析を行った。VEGF標的治療を受け、病勢が安定した患者で増悪(PD)以外の理由で投薬を中止した患者について調査した。

 全部で40人の患者のデータが収集された。全員が腎摘出術を受けており、淡明細胞癌患者だった。受けたVEGF標的療法は、スニチニブが55%、ベバシズマブ+インターフェロンが25%、ソラフェニブが20%だった。VEGF標的療法によって完全奏効(CR)が得られた患者は15%、部分奏効(PR)が得られた患者は73%、病勢安定(SD)が得られた患者は13%だった。VEGF標的療法開始前のHengの予後リスクグループクライテリアによる評価で43%が良好、53%が中間、4%が不良に分類された。

 投薬期間の中央値は14.6カ月(2.8-79)だった。VEGF標的療法中止の最も多い理由は、下痢、吐き気、倦怠感、粘膜炎の副作用で25%を占めていた。

 観察期間中央値29.7カ月(4.2-84.7)だった。試験の終了日である2010年12月31日までに25人(63%)の患者がPDとなり、7人は新しい部位に癌が出現した。PDとなった25人のVEGF標的療法中止後の無増悪生存期間中央値は10カ月(1.4-27.2)だった。25人中9人にはスニチニブ投与を開始し、うち6人はre-challenge投与であった。8人には局所療法を行った。8人は観察を継続した。

 一方、2010年12月31日で15人(37%)の患者が病勢安定の状態だった。15人の2010年12月31日時点での無増悪生存期間中央値は8.9か月(4.6-28.2)だった。

 現在スニチニブの間欠的投与法によるプロスペクティブな試験が開始されているという。